第一志望合格の僕が採った9月以降の受験戦略
これは,2009年11月11日に書かれた文章で,大学1年生の僕が河合塾の保護者会で話したスピーチの原稿.僕は高校生のときに河合塾に通い第一志望に合格したので,大学受験を控える子を持つ保護者に向けて,元受験生を代表して話したんだと思う.…そんなことしたっけ?全く記憶に無い🤣
今僕が読んで「本当にこれが重要なことか?」と疑問に感じる点はあるけど,少なくとも「当時の僕はこのように考えていた」という記録として面白い.原稿をそのまま転載します.
受験校決定のポイント
誰でも第一志望や第二、第三志望の大学はあるはずだと思います。それが最も優先するべき受験校であることは間違いないので、ここではその志望順位の高い大学以外の大学をいかにして選ぶかについて話したいと思います。
受験校を決めるに際して、私が判断基準としたことは受験の日程でした。第一志望の大学を受けるまでに、自分の受ける大学は順を追って難易度が高くなるように設定したのです。自分の実力なら十中八九合格を物に出来ると考えられる安全校の受験日を早めに置き、そして自分の実力相応の大学の受験日をその次に、最後に挑戦校、第一志望に立ち向かうといった順番です。さらに、その受験の順番のルールを守りつつ、なるべく試験日が連続しないように気をつけて選びました。そうして段階的に受験慣れしていこうと思ったからです。
私は合格できると確信していた大学の受験日を調べたところ、予定を立てる上で十分に早めの受験日であることが分かったので、そこの受験を決意しました。受験日は約2週間の間に集中しているのですが、例え安全校の受験であったとしても、その大学の受験日が、その約2週間のうちで後半にあったら、私はその大学を受けないようにしたはずだと思います。あくまでも私が受験校を決定するのに考慮したのは大学の特色やその他諸々ではなく、単純に受験の日程だったからです。
これは、もしも安全校としている大学に受かったとしても入学しない決意が強い場合には有効で、浪人は絶対にできないと考える受験生には通用しない作戦のように思われるかもしれません。しかし、実際に私も両親から浪人は許可されてはおらず、第一志望に合格しないときは例え行きたいという気持ちが薄い大学であっても入学しなければならない状況でした。そのような中でも、校風よりも受験の日程を第一優先したのは、それによってさらに高いレベルの大学の試験で、より良いパフォーマンスが得られると考えたからです。
実力に自信が十分でない場合は避けることも必要ですが、基本的には受験校選びには「日程」を考慮の対象とするのも考え方の一つだと思います。ちなみに多くの大学の受験日は概ね日を追うごとにレベルアップする傾向があるようなので、さほど悩まずとも難易度が段階的に高くなるような受験組み立ては可能でした。
冬期・直前の勉強の進め方
去年の私は11月2日に東工大第1類のAO入試を受験しました。これは、試験科目は数学のみという過激な試験で、私はそれに対応すべく9月10月には数学以外の勉強は全くしませんでした。そのためこのAO入試に不合格となった私は、2次試験対策として物理の電磁気学や化学の平衡などの未完成な部分の強化を11月に入ってから始めました。この開始時期では遅すぎるように聞こえるかもしれませんが、この時期の受験生に残された時間はまだまだ意外と多いことは一つ確実に言えることだと思います。
12月に入ると一転して、行う勉強はセンター対策を軸としました。これもまた12月からでは遅すぎるのではないかと感じるかもしれません。しかし物理や化学、また英語などの力は2次試験対策で伸びており、改めてセンター対策として始めるべきことは予想以上に少ないのです。とは言え2次試験対策の進度には個人差があるので、センター対策の開始時期は11月下旬を境目に多少前後するものではないかと思います。
センター対策では、地歴公民からの1科目と、国語の試験における古典の学習をこの12月に完成させなければなりません。去年私が取った対策は、過去問をひたすら解き続けることでした。幸い私が通った河合塾の校舎には豊富な過去問資料が揃っているため、政経や国語のセンター試験問題などは何年も遡って挑戦することができました。しかしここで注意するべき点は、政経の問題は作られたときの制度と現行の制度に違いが生じている可能性があるということです。かつての制度はしばしば現在の制度とは異なることも考え、政経の学習では過去問の実践よりも専用の新しい教材を購入して行うほうがベターであろうかと思います。
センターが済むと、まもなく私立大学の試験が始まります。センター試験から私立受験までは予想以上に時間が少なく、ここからは試験が立て続けにやってくることを覚悟しなくてはいけません。この短い期間の中で中途半端にならずにやりきることのできる勉強は、やはり過去問演習です。センターの試験日から私立大学の試験日までにある、勉強をすることのできる数日の間でも、5年分やそこらの量の過去問をこなすことは、案外ハードスケジュールにはなりません。したがって残された私立受験までの時間は赤本などの徹底分析を行う時間に充てるのがよいでしょう。このとき受験日が連続していると、対策を行うに際して、非常に時間的な困難が付きまとってしまいます。そのような不利を極力避ける意味でも受験日が連続するような受験校選びは好ましくないのです。
前述のような受験校選びを忠実に実行した場合、受ける試験は比較的易しいものから、だんだんと難しいものへと移行するのですが、これがまさに最適な復習機会になります。部活動の練習メニューをじっくり練ることと同様に、試験の日程は、そういった観点からも良く良く考慮する価値のあるものなのです。
どの大学の過去問演習でも言えることは、量より質の勉強をしろ、ということです。過去問演習をしていく中で解説をいくら熟読しても一向にその趣旨が理解できないような難問にぶつかることは必ずあり、それへの対処が合格への鍵を握っているのです。そのような自力では全てが解決しそうにない場合は、躊躇せずに近い友人や担当の講師の方に質問して解決するように努め、その問題が分からないままにしないことが非常に大切です。過去問を5年分解いたが、分からないままの問題が2、3個残る、というようなことでは全くといっていいほど意味がありません。全ての問題について、誰かに指し示されたらすぐに正答を提示できるというくらいに理解度を深めておくことが、合格への近道です。
また最後に待ち受ける本命の国立大学の試験までは、最後の私立受験から少し日数が空きます。その間でも私の勉強は過去問演習でした。私は去年の11月に1周、今年の2月に1周と、東工大の赤本を丸々2周解き切りました。2次試験直前期、新たな教材に挑戦する必要はありません。私が大事にした勉強理念は、解く問題数は少なくても構わないから一度解いた問題は完璧に理解し二度目の挑戦では満点を取れるようにする、ということでした。その確認の意味で、私は新たな教材よりも、一度解いたことのある赤本を直前期に復習したのです。二度目は完璧になるくらいに理解度を深めておけば、これで対策は万全であると胸を張って断言しても嘘にはならないでしょう。考え得る対策には全て手を打った、もう準備は完全に整っている、あと合格のために自分に必要なものは少しの幸運くらいだ。それくらいの心持ちで受験当日を迎えることができればベストコンディションです。
受験直前、当日注意したこと
まず試験の前日は早く寝ること、そして早く起きることが重要です。試験場への到着がギリギリになってはいけないと考えて、私は集合時間の45分程度前には会場に到着できるように自宅を出発していました。緊張に弱いたちの人は特に、会場へ向かう電車の中で急に腹痛を催したりするかもしれないし、会場のトイレの位置を確認しておこうと思うかもしれません。時間に余裕を持たせた早め早めの行動が、試験で実力を発揮する手助けになると考えて、私は早寝早起きを実行していました。
次に、受験前日の就寝の前は当日の準備を終えておくことが望ましいです。可哀想なことに受験票を忘れて来る受験生は会場に一人は必ずいました。また体験談を例に取れば、慶応大学の受験票には写真を貼付するスペースがあるのですが、それは願書提出の時には写真が不要、受験日には必要、という変則的な写真の貼り方の規則が定められていました。私は去年、写真を貼るのを忘れたまま会場に向かってしまい大変神経を擦り減らした記憶があります。幸い会場には写真を忘れた準備不足の受験生のために写真撮影を行っている部屋があり、無事に受験を済ませることができたのですが、このような無用なストレスを避けるためにも前日の準備は必ず行うのがよいでしょう。
最後のアドバイスとして、試験監督は様々な注意を受験生の前に立って述べるのですが、これを軽視してはいけないということです。実際に私はこれを注意深く聞いていたために受験番号を書き忘れることを何度も回避できました。受験番号を書くよう指示するだけでなく、受験票を机の右奥に置くようにとか、問題用紙の誤植を訂正するようにとか、試験監督は必要な情報だからこそいちいち指示をしているのだ、ということを肝に銘じて、試験監督の言葉には細心の注意を払って耳を傾けるようにすることが重要だと思います。
保護者の方からしてもらって嬉しかったことなど
両親には普段から生活の全ての側面で援助を賜り、それ以上に私が両親に特に求めたことはなかったため、私がしてもらって嬉しかったことといえば、いつもと変らず通常の接し方を維持してもらったことだと思います。直前期はどの受験生も追い込みをかけるべく無理な生活を送ってしまいがちです。しかし私は両親の普段通りの対応のおかげで理想的な規則正しい生活リズムを作ることができました。保護者の方にしてもらって嬉しかったこと、それは普段通りの対応で、受験生本人の生活リズムを整えてもらったことだと私は感じています。
次の話題を私の口から言うのは非常に恐縮なことではあるのですが、私の場合両親からされて嫌だったことは、国公立の前期試験が終わる前に後期試験の話を持ちかけられたことでした。私が前期試験に向けて全力で努力をしているところへ、それが失敗する前提で相談を進められるのはあまりいい気持ちがしなかったのです。と言ってもそのことを正確に伝え、その旨を両親も理解してくれたので結局は私も大変助かりました。私は両親に必要以上に多くのことを求めなかったつもりではあるのですが、受験生によっては非常に繊細になり、ちょっとした言葉遣いにも過剰に反応してしまう人もいるかもしれません。そういったことも考え、差し迫って重要なことを相談する場合は話し方を一考してから切り出した方がよいのでしょうか。受験生がされて嫌なことは保護者の方には予想もつかないところに隠れているかもしれません。繰り返しになってしまいますが、私が思うには普段通りの対応が受験成功のための最良の手助けになるのだと思います。
