【カンタン5手順】横線は変えずに,縦線だけ太くする方法
横線の太さは変えずに,縦線だけを太くする方法だ.
日本語のフリーフォントなんかでは特に,ボールド体(太字)が用意されていないことがある.その場合,Inkscapeではテキストツールを使って打ち込んだ文字を太字にすることができない.苦肉の策として擬似ボールド(文字の輪郭を縁取りして太く見せかける)があるけど,そのやり方はかなりスマートじゃない.縦線も横線も一様に太くなって何だかみっともないし,そもそもフォントのディテールが大きく崩れる.そんな時,僕がいつも使ってる手法『縦画厚化』(と僕は呼んでいる)が役に立つ.このやり方を教えよう,簡単で誰でもできるからきっと役に立つ.
フォントサイズをプルダウンメニュー内で最大の144ptに設定し,テキストを打ち込む.
「パス>オブジェクトをパスへ」,「オブジェクト>グループ解除」,「パス>統合」を順に適用.
テキストがアウトライン化されて通常のパスになり,それらを1つのパスにまとめた.何が起きてるか分からない初心者は,以上の操作後に確認として,ノードツールでマウスポインターをかすめてみるといいよ.文字が赤い輪郭で囲われたら成功してる.
「オブジェクト>変形」から「拡大縮小」タブを選択.単位を「%」にして,「幅:100%,高さ:5000%」で適用.
当然「比率を維持して拡大縮小」のチェックは外してね.
「パス>アウトセット」を適用.
アウトセット幅は2px(デフォルトのまま)に設定してあります.初心者で,特に設定をいじってなければ僕と同じ2pxになってるはずなので問題ないよ.念のため確認したい人は,「ファイル>Inkscapeの設定」から「変化の間隔」項を調べてみてね.
再び「オブジェクト>変形」から「拡大縮小」タブを選択.単位を「%」にして,「幅:100%,高さ:2%」で適用.
これでおしまい!
この手順で完成するのがこちら.これのうまみは何と言っても「縦画のみを太くできること」!これに尽きる.従来の擬似ボールドでは縦線も横線も一様に太くなって,許し難くダサかった.それがこの方法なら,横線の太さを変えずに(厳密には少し太くなってるけれど),縦線のみを太くすることができる.(部分的な解決策ではあるけれど)これで太字にできないフォントを綺麗にボールド化できるよ!是非試してみてね.
ちなみに本チュートリアルで使用してるのは「刻明朝」というフリーフォント.素晴らしいです,作者に感謝!