～中秋の名月～

はじめまして！
あたし鬼対(ｷﾂｲ) 安蘇子！珍しい苗字でしょ!?
ついこないだは中秋の名月と言って、とても綺麗な月だったね。あたしは毎年この日を楽しみにしてるの。
なぜかって？お月様が真ん丸でとてもロマンチックだからよ。そう、それは5年前の事。あたしが中秋の名月という日が毎年楽しみな日になったのは。
遡る事、
five years ago…
『安蘇子おはよー！』
彼女は小嶺 藤(ｺﾐﾈ ﾌｼﾞ)。安蘇子の親友だ。
『おはよー、藤(フジ)ちゃん！』
『今日英語のテスト返されるねー…』
『あっ！ヤバいかも…』
安蘇子は英語はとても苦手なのだ。残念ながら平均以下は堅い。
ガラガラッ
先生『よーしテスト返しするぞー！
…Kawaru Akaishi!
…Yuyami Asakawa!
…Shunnya Arakida!
………
そろそろ安蘇子の番だ。
…Asoko Kitsui!』
勢い良く返事をし、先生のもとへテストを取りに行く。そして点数は…
何と69点！安蘇子には有り得ない得点だ。
あの藤ちゃんでも47点だった。明日は雪でも降るんじゃないかと思われた。
しかし良く見ると採点ミスで42点も余分に増えていた。
『何か今日はついてるわー♪』

その日は安蘇子は気になる男の子に話し掛けられたり、お釣りが10円多かったり、四つ葉のクローバーを見付けたり、
便秘がちなのに12ヶ月ぶりのお通じがあったり、
ケータイの電波が４本立ってたり、
藤ちゃんと富士山に行ったり、
ベルト穴が一つ奥に入れられたり、
穴に奥に入れられたり…
その時『鬼対安蘇子、アソコきつい！』って言われたり…
それは冗談だけど…
まあハッピーな一日だった。それで中秋の名月の日が好きなのだ。
5年前のその夜、安蘇子は月を眺めて、こう呟いたそうだ。
『今日はツキが良いわぁ』