辺鄙な話

ある夜…
眠れずに布団の中に入ったまま初体験のことを考えている。
静まり返った部屋はとても不気味に笑っているようだった。
風のせいか、時折カタカタと襖が揺れる。
外は深く黒く、切れかけの街灯がチロチロと光っているのがわかる。
「ニャーオ…」
どこからか猫の声が聴こえる。
「ニャーオ…」
猫の声が徐々に近づいているのがわかる。
「ニャーオ…」
不思議に思ったので、襖を開けようと布団から出た。
肌寒い。
「ニャーオ…」
寒いからまた布団へ戻る。
暖かい。
「ニャーオ…」
猫の声はどうでもいい。暖かい布団が気持ちよかった。
「ニャーオ…」
どんどん大きくなる声は気にせずにはいられないほどになった。
「ニャーオ…」
布団に入っていても肌寒く感じてきた。
背中がゾクゾクする。
「ニャーオ…」
怖い。
「ニャーオ…」
仕方なく、布団から出て襖を開けた。
「タマ!しぃ~!」

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