作品を取り出す
適当に描いても、最近はそれなりに見れる絵が描けるようになってきた。むしろ、めちゃくちゃ時間掛けて、納得いくまで何回も何回も描き直して、俺が今引き得る最高の線を描き出してみることがないな。
彫刻家がいてさ。西洋の古い人で、ミケランジェロとかそういう人がね、言ってるんだよ。
『優れた彫刻は石の中に既に存在する。私のしたことは、それを石の中から取り出しただけにすぎない。』
的なことを。この気持ち、何となく分かるんだよね。
上手な絵ってのは正解があってさ。その正解ってのは一つじゃなくて、たくさんあるんだけど。
でも俺が紙の上にインクを乗せていって完成する絵ってのは、その正解の数よりももっとたくさん生み出し得るんだよ。分かる?言ってる意味?
無数の作品が作れる。もはや作品とも呼べないレベルのぐちゃぐちゃも作り得るし、ドラゴンボールみたいな大迫力の絵も作り得る。
紙の上にインクを乗せていくやり方は無限にあるけど、正解は決まってる。『ああ、これいいね!』ってなる正解は既に決まってる。
その線をいかに引き出すか、なんだよね。引き出すってのは、英語のdrawって概念です。描く、とも言えるところが要っぽい。
引く、と、描く。同じ概念だと分かってたイギリス人はすごい!英語以外の言語でも、引く、と、描く、が同じだったら、その言語はすごい!絵が上手な言語って感じ。
ってのは後付け、こじつけ。それは言葉の綾で誤魔化したにすぎないです、すんません。
でも、いい絵を紙の中から『取り出す』って作業、すごく分かる。彫刻と違って、取り出すの意味が比喩的なのが分かりにくいけど。
まあ言ってる意味分からなかったら、それでいいや。ちょっと俺の中ではまとまってるけど、言葉にはしづらいわ。
けど『私のしたことは、優れた彫刻を石の中から取り出しただけにすぎない』って言葉の意味については、ぜひ考えてみてほしい!言葉そのものはその通りなんだけどさ!
取り出すのが難しいんだけどね。でもミケランジェロか誰か忘れたけど、この人と俺は、創作活動において、作るとは何か、についてだいたい同じ概念を持って取り組んでるんだと思う!
なんだそれ、俺はすごい人なのかよ(笑)
いや、取り出すって表現、恐れ入るなー。
そういえば風邪っぽくなってきた。咳が出る。
やっぱり喉のイガイガは風邪の前兆なんだよー(´Д`)