目標管理の案: 期間と進捗の散布図

最終更新日

こういうノルマ管理手法は役に立ちそう?

目標の到達度を可視化したい

複数の作業者がノルマの達成を追いかけているときに,そのそれぞれの作業者のノルマ達成状況を一覧したいときがあるよね.そんなとき,こんな散布図を使ってはどうだろう?

  • ノルマの対象期間を横軸に
  • ノルマの進捗度を縦軸に
  • それぞれの作業者をマッピング
成績ごとに分類

例えば営業職のノルマをこの図で管理することを考えましょう.営業担当が同時に作業を開始したり終了したりするとは限らないでしょ.入社時期が違うかもしれないし,あるいはノルマを追いかける期間が担当により異なる (A さんの目標は3ヶ月単位で,B さんの目標は6ヶ月単位,みたいな) かもしれないし.そのへんの差を吸収して「現在,目標計測期間をどの程度経過したか?」を横軸に取る.

縦軸はノルマの達成度.これも営業が担当する地域とかその人の実力とかに応じてノルマの金額って異なるよね.単に縦軸を「金額」みたいな具体的な数値にするんじゃなく,「その営業担当個人の,目標全体に対する進捗度」で表示すれば,営業担当ごとの差をギュッと吸収して1つのグラフに図示できるね.

読み方と分類基準

\(y=x\) の直線 (つまり斜め 45° の線) が「目標達成のための最低限のペース」を表す.期間が20%経った時点で目標も20%達成してるとか,期間が75%経過した時点で目標も75%達成してるとかなら,「この調子なら目標達成できる!」という安全なペースだよね.この斜め45°の直線よりも上側に位置する作業者はそれよりも速いペースで目標を達成している.安全圏にいる人たちなので青い点で表示してる.

斜め45°の直線よりも下側の人は,目標達成がちょっと怪しい人たち.この調子で進行したらノルマの達成が間に合わないので,ブーストしないといけない人たち.そうした人たちを黄色と赤で表示してる.黄色と赤の違いは「あと少し頑張れば青になれる人」が黄色,「かなり挽回しないと目標達成できない人」が赤で示されてる.

模式図

赤と黄色の境界線を図中に描いてるけど,基準は円.点 \((x,y)=(0,1)\) を中心とする半径1の円の中に収まらなければ赤,収まっている (かつ \(y=x\) より下側) なら黄色だ.

なぜ円?

短い答えは「最も仮定を置かない基準だから」.黄色と赤を区別する基準として,色んな基準を考えることができるよね.緩い立ち上がりを許容して,後半の加速を想定する基準.反対に,対象期間の初期には厳しく判定し,だんだん緩く判定する基準.円に近いけど少しだけ円より厳しい基準.複数の直線で場合分けして分類する基準… などなど.

  • 紫: \(y=\frac{4}{3}x-\frac{1}{3}\) … 緩い立上りを許容して後半の加速を期待
  • 緑: 円より少しだけ厳しい曲線 \(x^{1.5} + (1-y)^{1.5} \leq 1\) に収まるように
  • 黄: 3直線で基準を作る
    • \(\displaystyle \begin{cases} y=0.5x &(0\geq x \geq 0.5) \\ y=x-0.25 &(0.5\geq x\geq0.75) \\ y = 2x &(0.75\geq x \geq1)\end{cases}\)
最も単純な基準が便利そうな気がする

どんな基準を作ることもできるけど,「最もシンプルな基準」を考えてみると,円が候補に上がると思う.業種別に特化した知見を反映した巧妙な基準を開発するのはあとでもよくて,まずは何の仮定も置かずに最も単純な基準で分類できる方が,なんかいい感じじゃん (言語化できません…).

コメントを残す

%d