宇宙生物学が探しているのは、生でなく死 – 2026 Q1 書評
動物学者が死ぬほど向き合った「死」の話
大人としてたった2時間しか生きることができない動物もいれば、決まった時間が来たら自ら命をたつ特性を持つものもいる。一方で、何百年もの間生きる動物もいるかと思えば、他者に取り付いて残酷な死に方をさせる寄生虫もいるし、長く健康な人生を送らせるために取り付く寄生虫もいる。…
本書を読む体験は読者にとって、生き物たちの終末と再生を見極めようとする、壮大かつ楽しい冒険の旅となるであろう。
動物学者が死ぬほど向き合った「死」の話 – Amazon の紹介文
宇宙生物学が探しているのは、生でなく死であるとの指摘は刺激的だった。確かに人類はまだ地球外で生命体を発見していないから、”痕跡” すら大発見に値する。例えば 2024 年に NASA の火星探査機 Perseverance が、地球の地下棲微生物の化石と関連した特徴を火星の岩石から見つけたニュースが記憶に新しい。

「動物の死」の切り口で語る進化の科学は興味深い反面、独特の語り口に最後まで馴染めなかったのが心残り。本書は良くも悪くも著者の個性と存在感が目立つせいで、純粋に科学と事実に向き合いたい読者にはやや雑音が多い。それでも各話題は印象的で、小説を読んだようなスッキリした読後感もある。
ほか、簡単に印象に残った点を列挙しよう。
- シュレディンガーは著書『生命とは何か』で「生命はエネルギーである」と定義したそう。
- → ある側面の本質を捉えてるのかもしれないけど、何も解決しない (人類の知識の総量が増えない) 命題にも聞こえる
- 宇宙生物学者が探しているのは宇生ではなく死である。
- → 興味深いすれ違い!
- → とはいえ、小惑星から脂肪酸を見つける研究は、むしろ生のさらにその前を探査するものに思える。死の後じゃなくて。
- 子供は死の話が大好きだ、「寝てるだけだよ」などと誤魔化すのは不誠実、と。
- 鳥は長寿。同じサイズの哺乳類に比べて数倍も長生きする
- ハダカデバネズミは長寿。ガンにならない!
- 死後の生態系、面白い。死体に蛆が湧くのを含め、腐敗や分解による元素の循環も生物のなせる奇跡だよねえ
- 生殖の方法は、死の契約から直接の影響を受ける。
- → この説明は印象的ではあるけど不正確に聞こえる。
- → 「どちらも相互に影響し合ってる」というほうがより正しい表現だと思う
- 蜘蛛より蚊のほうが何倍も人を殺しているが、蜘蛛に怯えるのと同じように蚊に怯える人は少ない。蜘蛛恐怖症が進化的に獲得されたのではないと考えられる理由の一つ。
- 害虫を食べる、池が綺麗、新しい薬の材料になる。カエルを救うべき理由
- グアノとアカトビ。グアノは洞窟のコウモリの糞の生態系の話
- 社会性動物の仲間の死骸への対処。ハチには葬儀バチがいる。葬儀のような行動をする。シロアリは死体を無視したり、食べたり、巣から外へ捨てたり。ハダカデバネズミ、知られていない
- 死の蛍光、線虫。
- 不死研究。線虫、クラゲ、ヒドラ。
- → 確かにベニクラゲの研究は有名だよね。京都大学
