【人機一体】たくさんの反論と,強い賛辞!

少し過激だけど,面白い記事でした.
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ロボット工学者のアツイ記事

機械は敵ではありません。が、対等な仲間でもない。
ロボットは人間のためにつくられ、犠牲となって壊れて消えていく。

『Pepperは道化。ロボットではない!金岡博士が語る「本物のロボット」がつくる未来とは』という記事を読みました.その感想を書く記事です.凄く面白いので読んでみる価値のある記事だと思う.記事そのものは読者の皆様各位に読んでいただくとして,僕はこの記事の部分部分にツッコミを入れていこう.

定義,持ってるんでしょう?

ロボットとは何かという明確な定義はないのが現状。私はロボットの定義なんて決めなくていいと思っています。
ただ、Pepperが本来ロボットの持つべき機能を備えているかと考えると、ロボットとはそんなものではないと言いたくなる。

前段で「ロボットの定義はなくてよい」と言っておいて,後段で「本来のロボットが備えるべき機能が無いものはロボットでない」と言ってる.つまりこの人の中にはロボットの定義が存在するんだよね.それを言語化することをサボってる.彼は「大事なのは人の役に立つかどうかです」とも述べてるから,それをもう少し練って「ロボットの定義」として(自己流でもいいから)提唱したらいいのに.

弁が立つとはこのことか!

機械には機械のいいところ、人には人のいいところがある。双方を活かせば、人間よりも機械よりもすごいものができる。
それを我々はマンマシンシナジーエフェクタ(MMSE)と呼んでいます。

何と言うか,とても弁の立つ人だなとしか言いようがない.つまるところ「まだまだ機械には出来ない仕事がある.その仕事は,今後も人間が担当する」というだけのことを,こんな風に表現するなんて.マンマシンシナジーエフェクタ,言ってみるもんだよね.
別の箇所で,こんなことも言ってる.

ロボットが人の役に立てる分野というと、人が身体的な苦痛を伴う作業を強いられている分野はすべて対象になる。
特に、自動化しにくい部分、人の判断が求められる部分は、MMSEの得意とするところです。

結局は「本当は全部ロボットがやってくれる方が便利に決まってる.でも現在の技術ではそうも行かない.部分的にはまだ人間に仕事が残されてしまう」という意味.でもそんな技術的な弱点を「MMSEの得意とするところです」なんて言い換えられる能力.間違いなく,只者じゃありません.絶対に頭いいよ.

「見た目」は「機能」だから,この危惧は杞憂

自己犠牲こそが、ロボットが持つ最大のアドバンテージ。人間なら痛いこと、苦しいことも機械なら文句も言わずに働きます。
可愛らしいロボットに僕が違和感を覚えるのはそこなんです。『こんなに愛らしいロボットにこんな辛いことをさせるなんて』と人に思わせてしまったら、その機能が発揮されなくなります。

この問題,それほど問題じゃないんじゃないかな.Pepperは可愛らしくデザインされてるけど,見るからに辛そうな仕事のたぐいは何一つ出来ない.Pepperは可愛らしくデザインされてるから,見るからに辛そうな仕事のたぐいは何一つ出来ない.可愛さが原因なのか結果なのか曖昧に書いたけど,要は「外観は機能の一部」ということ.
見るからにタフそうな仕事をする機械に,Pepperみたいなカワイイ見た目を与えたらそりゃ問題もありそうだけどさ.そんなことしないでしょ.逆にPepperみたいなエンタメ用途のロボットに,厳つくて近寄りがたい見た目を与えたりもしないでしょ.
金岡さんの危惧してる問題は存在しない問題なんじゃないかな.「工業デザイン」の目線があれば,用途に適した外観をロボットにあたえるのは当然.「カワイイロボット」は別の仕事があるから,それはそれでいいと思う.

人が介在しないのが,究極の目標じゃないの?

「誰が扱っても上手にできる」という謳い文句がありますが、誰がやっても同じならコンピューターがやればいい。人が操作する以上は、その人が動かすからこそ最大の効果を発揮できるようにつくらなければなりません。
オペレーターが習熟するほど効率よくなるロボットでなければ、あえて人が操作する意味がありません。

目的と手段が逆転してる.典型的な工業が進む道は,こうだと思う.

  1. 機械:無,職人依存:有(知ってる人しか出来ないし,やり方も非効率的)
  2. 機械:有,職人依存:有(効率的な手段があるが,使い方が難しい)
  3. 機械:有,職人依存:無(誰でも簡単に,効率的にできる)

なんか,発展の途中を目標地点にしてる感じで,凄く気持ち悪い.目標の高さがいまいちな印象.「誰がやっても同じならコンピューターがやったほうがいいでしょう」って,その通りだと思う.ほとんどの仕事はコンピュータによってなされるべきだと思う.
「人が操作する以上は」という前提があるみたいだけど,そんなの必要ない.無理して人間を動員する必要ないと思う.「あえて人が操作する意味」と言ってるわけだから,金岡さんも実は気付いてる.わざわざ「人が操作する意味」を付与することで,人が操作することを正当化してる.ホントは人がやらなくても済むって知ってるくせにね.

最後に!大賛成!

と,ここまで反論を中心に書いたけど,ここで一つ,大賛成の意見を引用しましょう.

人は「ロボットを犠牲にすること」に妙な罪悪感を覚える必要はありません。
むしろ現代社会の豊かさが、一部の人々にフィジカルな苦役を強いていること、つまり誰かの苦痛の上に成り立っていることを直視せず、見て見ぬ振りをしていることの方にこそ罪悪感を覚えるべきです。

ロボットや人工知能が労働することによって,人間の職が奪われる危機感を多くの人が持っているらしい(僕は微塵も持ってないけど).金岡さんは,その危機感を疑った.ロボットが人間の職を奪うけど,職を奪われた人が不幸になるわけではない.肉体的・精神的な苦役から解放する事こそが,「ロボットが労働する」ということの本質だ,と.
全くその通りだと思う.目先の「職がなくなる!」とかいう危機感で大騒ぎしてるけど,それは間違ってると,僕も思う.そんなに働きたいの?って聞きたい.作物をロボットが代わりに作ってくれる,料理もロボットが代わりに作ってくれる,掃除も洗濯もやってくれる.何の文句があるのか?
「職が奪われる」なんて考えるからおかしくなる.「働く必要がなくなる」と表現すべきだ.まぁこんな少ない字数で伝えられるものじゃないし,分かる人は既に分かってるだろうからこれ以上書きません!

「夢」を「社会的意義」で説明した.凄い

とにかく,金岡さん,とても頭のキレる人だと思う.たくさん反論したけど,基本的な考え方には賛成だ.たぶんこの人は「搭乗型ロボット」に強く憧れてるんだと思う.ガンダムとか攻殻機動隊とか,大好きなんだと思う(僕は両方共見たことがないのであまり共感してませんが.すみません笑).
小さい頃から「搭乗型ロボット」を作るのが夢だったに違いない.でも作るにはお金がかかる.費用をどこから調達しなければ,夢は夢のままだ.でも金岡さんの凄いところは,「子供の頃に見た夢は,所詮現実を知らない子供夢に過ぎないのか.実現は無理だ」なんて考えないところ.
お金を調達する必要があるなら,大学で研究する.それでも不足なら会社を興す.「搭乗型ロボット」の社会的な必要性を,しっかりした妥当性と説得力を以って資金を調達してるわけだ.すごすぎる.
自分の個人的な夢を「社会貢献」で裏付けるような論理を思いつくには,凄く知恵を絞ったと思う.でも金岡さんはそれをやり遂げ,実践してる.瑣末な言葉尻に反論したけど,それが瑣末なことを僕自身分かってる.金岡さんの取り組みを,こっそりと応援したいと心から思わされた!それくらいに凄い人だと思います!

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