【9プリンシプルズ】21世紀を生き抜くために不可欠の視点

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重要すぎる21世紀の行動指針

崇高な名著!

本書の中で重要性が説かれている9個の方針はこれら.後書きの中で訳者の平易な言い換えも書かれてたから,それも併記で.

  1. 権威より創発
    1. 自然発生的な動きを大事にしよう
  2. プッシュよりプル
    1. 自主性と柔軟性に任せてみよう
  3. 地図よりコンパス
    1. 先のことは分からないから大雑把な方向性で動こう
  4. 安全よりリスク
    1. ルールは変わるものだから過度に縛られないようにしよう
  5. 従うより不服従
    1. むしろ敢えてルールから外れてみることも重要
  6. 理論より実践
    1. あれこれ考えるよりまずやってみよう
  7. 能力より多様性
    1. ピンポイントで総力戦やっても外れるから、取り組みもメンバーも多様性を持たせよう
  8. 強さより回復力
    1. ガチガチに防御を固めるより回復力を重視しよう
  9. モノよりシステム
    1. 単純な製品よりはもっと広い社会的な影響を考えよう

僕は中でも「地図よりコンパス」「能力多様性」が特に好き.この2点について言いたいことを言おう.

地図よりコンパス

まず,地図よりコンパス.これは「理論より実践」にも繋がることだけど,「まずはやってみよう,そして大雑把な方向性で動こう」という柔軟性は,仕事を効率的に進める上で非常に重要なことだと最近痛感する.僕の好きなツイートにこんなのがある.

分かる,伝わる!

僕なりにリライトしてみるとこんな感じ.

これも分かりやすい (よね?)

これは「理論より実践」にも近いし,この発想そのものは「地図よりコンパス」にも近い.とにかく早く全体像を見せてみる.詳細は後で考える.そんな実践的な姿勢.マークザッカーバーグも似たようなことを言っている. Facebook の Hacker Way という行動原理のなかに、Done is better than perfect(完璧よりもやることだ)というのがあるんだよね。下記は IPO のときの目論見書からの引用。

We have the words “Done is better than perfect” painted on our walls to remind ourselves to always keep shipping.

Registration Statement on Form S-1

仕事も同じことが言えると思う.詳細や各論に拘泥して,全体感とか総論を見失って身動き取れない,なんてことが時々あるけど,凄く勿体無い.ささっと全体像を見せて,ダメそうだったらその時に方向転換を考えればいい.もちろん良さそうならそのまま進めばいいしね.とにかく「さっさとやる.感想は概観を見せた後.」僕はこの方針が凄く好きなので,『9 Principles』で取り上げられている主義の中でも特に好きなものの1つ.

能力より多様性

さてもうひとつの「能力より多様性」について.この本では,「組織の成功度 (イノベーションの速度) が,構成員の能力の優劣よりも,構成員の多様性のほうが相関が高い」という事実について,様々な事例とともに紹介している.能力よりも多様性のほうがイノベーションに寄与するという事実は,それだけで多くの人の励みになるよね.決して能力が高くなくても組織に貢献する可能性があることを示しているからね.

イノベーションに貢献するためには人と異なっていること,個性的であることが求められる.全員がとんがっていればいい.僕は人間の能力は,偏差値みたいに1次元に並んで簡単に優劣がつけられるものだと思っていない.それよりもレーダーチャートみたいに,人間の能力にはたくさんの評価項目があってしかるべし.そして,それぞれの人は出っ張ったり引っ込んだりしていると思う.

能力は多次元的

この考え方を推し進めると,面白いことが分かる.上手く協調して問題を解決できるチームのスキルというのは,各能力で最も秀でた人に揃う.各問題を,最も得意な人が担当するからね.そうすることによって,レーダーチャートはより広い面積を占めることになる.それを観念的に表したのが下の絵なんだけど,これは「協調とは単純な足し算でなく,協調によって創発的な問題解決能力が湧き出してくる」ということを暗示する絵にもなってる.

組織は,個人の合計を超える!

協調的な組織から生まれる創発

上に少し書いたように,協調的な組織には創発的な問題解決能力が宿る.具体的には下の絵で指している物のこと.

これが創発 (…を,比喩的に図示したもの)

これはただの図形的なアナロジーに過ぎないから,その本当の重要性は過小に見えるけど,「権威より創発」の章の本文中の言葉を借りるならこういうことだ.

それは一種の集合知性で,ミツバチなどの群生生命体のように,その中の単一の個人をはるかに超えた性質を持つ

9プリンシプルズ

著者についてと,概観の感想

この本はMITメディアラボの所長として有名な伊藤穰一さんも執筆に携わって書いた本で,主著はジェフハウという人だそうだ.この人はワイアード誌に記事を寄稿する編集者だそうだけど,僕はジェフハウさんのことはよく知らない笑.でも伊藤穰一さんのことは数年前から知っていて,MITのメディアラボの所長になってからやっぱり日本でも有名人になったんじゃないかな.きっかけは茂木健一郎さんが何かの公演で話していたのを聞いたのが最初.

上記のように,この本では変化の速度が高速になった21世紀に,どうやって失敗せずに楽しく過ごせるのかを考えた本.変化の速度が速い現代においては,例えばルールを信じこむことは危険.なぜなら変化が速い時代では従うべきルールも変わってしまうかもしれないからだよね.例えば「企業は銀行からお金を集めて事業を始める」という常識が崩れて,「クラウドファンディングでお金を集めて事業をしても良い」と変わってるよね.アイデアさえあればお金の調達方法は自由になってたりするよね.

そんな変化の速度の速い21世紀を生きるにあたって重要なことは,これまでの「20世紀で重要だったこと」とは変わってきている.それについてMITの具体例を交えながら詳細に説明を書いたほんです.端的に言って内容はめちゃめちゃ素晴らしいです.

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