【仏教思想のゼロポイント】仏教を学問したい人に

仏教を学問したい人向け.

仏教についてとても良く分かる一冊

この本は「なるほど,仏教徒はこういうことを目指してるのね」というものを掴むための十分な解説をしてる良書だと思う.内容を大きく分けると2つ.

  1. 涅槃とは何か?
  2. ゴータマ・ブッダは涅槃に至ったのち,なぜ死ななかったのか?

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前者の問いは込み入っていて,僕には同意しがたい思想を含むことが分かった.「無我(世界をコントロールすることはできない)」という概念はいいけど,そこからすぐに「だから人生の多くのことを望むのをやめよう」というのは全く分からない.論理の筋道を理解してはいると思うけど,それに共感はしないかなという意味.
後者の問いの答えは僕にとっては明快だった.長々と説明されるけど,結局「ゴータマ・ブッダにとって,死ぬことは必然でなかったから」ということ.僕はリバタリアニズムっぽい考えを持つ側面があるので,この理由で説明は十分だ.「ゴータマ・ブッダが(別に死んでも良かったんだけど,)何と無く死なないことを選んだに過ぎない」という理由.僕にとっては分かりやすい.
凄く論理的で分かりやすいのでおすすめ度は高めです.「仏教について知ってみたい!」と意欲的に思う人が読めば,収穫は大きいと思います!仏教の複雑な知識を会得するには,体系的に記述された一定量以上のまとまった情報を取り入れるのが一番早いと思うし.

決して「読みやすい本」ではありません…

注意点が2つ.文章が難しい.ただでさえ読み慣れない「涅槃」「滅尽」「瞋恚」「戯論」などの難読熟語が連発されるのに,そのうちの多くは「仏教用語」として明確な定義を持つ.雑な想像で「こんな意味だったかな…?」と手を抜くとすぐに文意を取れなくなる.筆者が精密に書いた文章を読むときは,読者も精密に読むことを求められる.これは覚悟.
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あと文が長い.めちゃめちゃ長い.平気で次のような,長い長い長い長い文が繰り返し連発される.

文中の四諦のそれぞれ(苦の聖諦・苦の集起の聖諦・苦の滅尽の聖諦・苦の滅尽に至る道の聖諦)は,短く「苦諦・集諦・滅諦・道諦」と呼ばれることも多いけれども,経典の呼称では,その全てに「苦(dukkha)」という言葉が付されているこということは,ゴータマ・ブッダの関心がまず第一に,「苦という現状の認識と,そこからの解放」にあったということを示していて,注目すべき点だと思う.

※僕がこの文章を書くなら,こう書く.

  1. 文中に苦の聖諦・苦の集起の聖諦・苦の滅尽の聖諦・苦の滅尽に至る道の聖諦の四諦がある.
  2. これらはそれぞれ短く「苦諦・集諦・滅諦・道諦」と呼ばれることも多い.
  3. ただ,経典の呼称ではその全てに「苦(dukkha)」という言葉が付されている.
  4. これはゴータマ・ブッダの関心がまず第一に,「苦という現状の認識と,そこからの解放」にあったということを示している.
  5. これは注目すべき点であろう.
(余談)僕と仏教の接点と,僕と本著の接点

僕が仏教に感心を持った初めのきっかけは「スカイハイ」という漫画.死者の魂を救ったり地獄に送ったりする「地獄の門番」が主役(?)のオムニバス漫画.その中でしばしば仏教的な世界観についての言及がある.「徳」を積んで「悟り」を開くと「輪廻」を「解脱」する…みたいなぼんやりな仏教のイメージを持ったのが,スカイハイを読んだ頃でした.
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とは言え僕は強く仏教を信仰してるわけじゃないから,一瞬ハマっただけの仏教のことを常日頃は考えない.この本を知ったのは,著者のTwitterをフォローしてたから.なぜ著者をフォローしてたかといえば,いつか彼のツイキャスを聞いたから(彼のツイキャスは音声だけで映像がない.ラジオキャス?).なぜ彼のツイキャスを聞いたのか,本当の最初のきっかけは覚えてないね笑.

著者はミャンマーで仏教について研究している人.Twitterのアカウントはあっけらかんとして楽しいし,意欲的にオフ会を開いたりしてファンとも交流してる行動的な人.てかファンなのか?友達?オフ会ってどういう交流会なんだろう…?僕は仏教に興味があるから,彼(ニー仏さん,著者)の話は示唆に富んでとても面白いと感じる.だから本も買っちゃった.本も面白くて,とてもよかった!文がとにかく長くて読みにくかったけどね!(少し怒りを込めて笑)

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