月の裏は誰からも見えない

(~中秋の名月~を読んでから見てね!)
鬼対安蘇子はツキがよかった。だが、不運な人もいる。そう、彼女こそが小嶺 藤だ。小嶺は何故そんな事になったのかは、5年前を振り返れば明らかとなる。
遡る事
five years ago…
『おはよー安蘇子!』
まずこの時点で小嶺は機嫌が悪かった。
思春期の女の子が、朝っぱらから大きな声で
『アソコ』
と言うのだ。それは嫌んなるのも無理はない。
朝っぱらからとは言うが夜なら良い訳でもないが。
その次は英語のテストだ。鬼対は69点取った。が、採点ミスが42点だ。実際は小嶺の得点47点より遥かに低い。
しかしその日、小嶺は先生に呼び出されたのだ。
先生『全く一体どうしたんだFujiko Mine?
Asoko Kitsuiより点が低いなんて…。明日は雪でも降るんじゃないかと思ったよ!悩み事か?先生でよかったら聞いてやるぞ…。
まあ、何度も言うように、先生はMじゃないけどね…。』
鬼対の奥に入れたのは実はこの先生だとは、誰も知らなかっただろう。しかし良く思い出してほしい。鬼対は気になる男の子に話し掛けられたくらいではしゃぐ女の子だ。相手となる彼氏は居ないのだ。
この相談の時、小嶺が鬼対のテストの採点ミスをチクったのだ。
この汚い先公はそれを良いネタにして、
『誤魔化して欲しくば…』と襲ったそうだ。


その日小嶺は鬼対に誘われ、富士山に行った。二人で富士山に行く。一見普通だが、学校のあった日に遠出するのがしんどいことは、言うまでもない。
しかし行ったは良いが、登山には相当の装備が必要だ。日本一の山となれば思い付きで登れる所ではないのだ。二人はふもとで諦めてその日は引き返した。
後に鬼対は小嶺に土下座しながら介錯人無しで謝罪の切腹をするとか言い出して、一々止めるのも小嶺には憂鬱だった。
かったるい富士山からの帰り道。小嶺は鬼対にこんな話をした。
小嶺『明日さぁ、ウルフルズのツアー最終日でさぁ♪』
鬼対『ふーん。どこでやるの?』
小嶺『それがさ、公園で野外ライブだから天候によっては中止があるんだよ…』
鬼対『へぇ~。悪天候だったら最悪だね…。てかウルフルズって2007.10.31に新曲出すよね~』
小嶺『明日の天候は分からないけど、それはたしかなことだね!』
2007年10月31日
“たしかなこと”リリース!こうご期待!
小嶺『明日晴れるかな…』
鬼対『きっと晴れるよ!』
次の日、
ライブは中止となった。
雪が降ったために。

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