島田君はァ…休みか
あるところに出席番号を賭けた壮絶なレースが開催されました。参加者は小栗選手、中泉選手、室井選手、原口選手、そして高橋選手です。
レースが始まり、選手5人は全力で駆け出しました。観客はこのレースでお金を賭けていて、当然小栗選手にみんなが賭けました。室井選手や原口選手に賭ける人はあまりいませんでした。
そして当然のように小栗選手は一位を独走でした。次に高橋選手、3番に中泉選手でした。原口選手は辛うじて付いていけていると言った程度で、もはや室井選手と小栗選手との差は歴然でした。
しかし最後尾だった室井選手が突然、イギリスへ飛び立ちました。すると室井選手の出席番号はファーストネームが反映され、Tatsuyaとして高橋選手の後ろに付いたではありませんか!!
そして順位は小栗選手、高橋選手、Tatsuya選手、中泉選手、原口選手となりました。室井選手に賭けた観客は喜びましたが、Tatsuya選手の追い上げもここまででした。小栗選手の独走は止まりません。全く他の選手を寄せ付けません。
その時、原口選手が生物の教科書を開きました。そして《生物の発生》の単元を確認しています。確認が終わると、その後物凄い勢いでTatsuya選手がやっとの思いですぐ後ろまで追い付いた高橋選手を悠々と追い抜くではありませんか!!
そう。原口選手はハラグチではなくゲンコウと読むのに気付いたのです。ちなみに成体になったとき、原口が口になるのが旧口生物、原口が肛門になる生物を新口生物と呼びます。どーでもいーですね。
ちなみに人類は新口生物です。どーでもいーですね。
原口選手の思いがけないごぼう抜きで、レースは番狂わせです。トップから小栗選手、原口選手、高橋選手、Tatsuya選手、中泉選手となりました。中泉選手の逆転はあるのか!?それともこのまま小栗選手の独走のままレースは終わるのか!?
その後、どの選手も番狂わせを起こしませんでした。そして順位をキープしたまま小栗選手はゴールの目の前にしていました。
他の選手は遥か後ろだ。そう思ったのでしょうか小栗選手、選手手帳を見始めました!!しかしそれでも暫くどの選手もゴールしそうもありません。
そろそろ原口選手がゴールに近付いて来た頃。のんびりしていた小栗選手も腰を上げ、ゴールに向かい出しました。それも選手手帳をみながら。
その時です!!小栗選手が選手登録ページを見た時、小栗選手は固まってしまいました!!何が起きたのか観客にも原口選手にもわかりませんでしたが、なんと先にゴールしたのは原口選手!!
そのあと小栗選手も動き出すかと思えば、高橋選手、Tatsuya選手と続々ゴールしていきます。観客から大きなブーイングの声が上がります。ウサギとカメの童話を見ているようです。
そして遂に中泉選手もゴールイン。小栗選手は結局ビリっケツでした。お金を小栗選手に賭けた観客は怒り心頭に帰って行きました。一方原口選手に賭けた観客は大穴を当てて、大層喜んでいました。
試合後の会見で記者は小栗選手に何があったのかを聞きました。すると小栗選手はこう答えました。
『俺はずっと小栗、小栗と呼ばれてきた。だから今回の大会は楽勝だと思ってた。しかし選手登録表を見て驚いたよ。
俺、ホントは吉野なんだ。』