【第2回】生きてるロボット【全6回連載 声ブログ】

(これは2015年09月06日に,散歩しながら喋った声ブログを文字起こししたもの.全6回に分けて連載するよ)
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人間はロボット?

ロボットと人工知能が同時にぐんと進化して,身体を持つ人工知能と,知能を持つロボットが生まれると,ちょっと話が難しいね.「それを人間と呼ぶか?呼ばないか?」っていうのは,かなり倫理的な問題になりそうだ.例えば人間だって,ある種の「よく出来たロボット」と解釈も出来なくないよね.なぜなら人間だってタンパク質なり何なりの組み合わせで上手いこと機能してるだけであって,生命という「魔法」がかかってるわけではないからね.命は魔法ではなくて,何らかで構成されてる「もの」.
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「人間の体は生命と言う魔法にかけられていて,死ぬときは魔法解ける,そして生命はどこか違う場所に飛んでいってしまう」,というような(ファンタジーと言うのか)現在主流の科学では説明できないようなことを前提にしているのなら話は別かもしれない.だけど,現在の科学的な見地から言えば,人間はなぜだか分からないけど生きている「物体」なんだよね.タンパク質でもカルシウムでも水でも何でもいいけど,偶然上手いこと機能のように見える物性を持つモノが集まって,一つの生命体として振舞っている.でもそれは生命体という不思議な「現象」であり,「物体」である.
要素還元的に言えば,人間は何故か生きている「もの」であって,よく見るとタンパク質なり何なりが上手な物性を持つ物質を上手に組み合わせて何となく機能しているように見えてるだけ.もうちょっとミクロに見れば,DNAとかRNAとか,そういうものが上手いこと組み合わさって上手い物性のものが上手いこと機能しているだけ.どこまで行っても,生命は魔法ではない.物性だよね.

何も例外はない

もし仮に人間が,金属で出来た身体を持つロボットを発明したとする.そのロボットにはこんな機能があるとしよう

  • 自分で鉱山を見つけてきて鉱山を掘る
  • 出てきた鉱石を加工して自分の体内に取り込む
  • 体の損傷を修復し,体のエントロピーを捨てる
  • 自分の子供ロボットを発明する(拾ってきた鉄で自分と同じものを作る機能を持つ)

こんな装置を作ったとしたら,「果たしてそれは生命なのか?ロボットなのか?」と言う問題があるね.
ロボットだって物質で出来てるし,人間だって物質で出来てる.人間は宇宙の法則を破ってないし,ロボットも宇宙の法則を破ってない.宇宙の法則って物理法則ね.エントロピーは増大するし,化学反応もエネルギーの高い方から低い方へ移動する.エネルギー保存だって破らないし,あらゆるルールを破ってない.ロボットも人間も,その制約の下で活動してる.「生命活動っぽく見える」ロボットを作った時に,それを「生命活動でない」とするのか,「生命活動だ」とするのかは,非常に難しい問題だよね.

「生命」の定義

今のところ主に言われている生命の定義の3大要件ってこんな感じ.

  • 自分とそれ以外を明確に隔てる境界がある
  • 化学反応によって代謝を行い,エネルギーを取り出す
  • 自己複製をする

この定義は人間が作ったものだ.生物と無生物の境界線は,人間によって恣意的に引かれた線なわけだ.その恣意的に引かれた線を,どこまで信じるかって問題はある.
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生物と無生物を分ける線っていうのは非常に危うい,微妙なものなわけ.明確な境界線はないんだよね.もちろん境界を定義すれば「境界線がある」ということにはなる.だけどそれは,定義をした人が勝手に決めただけであって,この宇宙に生物と無生物を分ける明らかな線があるわけじゃない.どれもそれぞれの物性に従って物理法則に従って動いているだけでね.

生命の創造~定義を逆手に取って~

自己複製をして,代謝によってエネルギーを得て,そのうえ自分と自分以外を明確に区別する境界があるロボットを作ってしまえば,そのロボットはもしかしたら「生物」かもしれない.人間が生命を創造するという,そういうことが可能かもしれない.上記の「生命の3要件」があるからこそ,むしろ人間が生命を作るのは簡単かもしれないよね.「条件を満たす何か」を作ってしまえば,それを生命と見なしていいわけだからね.
例えばゲームの中に作ったって面白いよね.そのゲームの中では生命だということになってしまう.これはなかなか面白い考えだね.自と他を区別する境界があって,活動力を持ってるNPCがいるゲームでも,さすがに自己複製するNPCはないか.なかなか難しいね.例えばMineCraft上で自己複製をするような装置を作れるかな?まぁ頑張れば作れるかもしれないけど,それは何1000x何1000x何1000くらいの大きなものになっちゃうかもね.でも簡単なルールさえ定めて,それに従うようなことをしてみればできるわけだよね.出来ないのかな実際には.
定義があることによって,例えばホムンクルス的な,生命創造の指針が明らかになったね.何をすれば「はい,生命ですよ」って主張できるのか.人工知能をロボットに組み込むとどうだって話からずいぶん脱線したね(笑).

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