コロッセオに!国会議事堂に!活躍幅広い岩石 トラバーチン

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これは,2011年7月5日,大学4年生の僕が授業「偏光顕微鏡実験」の課題レポートに書いた文章.トラバーチン (travertine) の成因と産業利用について調べて書いた.地球科学での岩石は,過去の地球環境を推定するのに欠かせない記録.岩石標本の薄片を偏光顕微鏡で観察する授業を受けた記憶がはっきりとある (僕にしては珍しい笑).

[出典] travertine (geology) – Images | Britannica

レポートの質は考えうる限り最も低いと言っていい😭 本論と無関係な自分語りに第1節丸ごと使ってるし,第2節 第1項の書き出しはまんま Wikipedia のコピペだし.最後の1文では,研究者の専門知と「マニアックなトリビア」を同列に語る始末.無知で無能で無礼で,これが大学4年生が授業の課題で書いた文章とは信じられない.すみませんでした…🙇


1. 選定理由

まずトラバーチンを選択した理由について述べる。この課題に取り組むに当たって私ははじめチャートについて書こうと考えていた。そしてチャートが岩石一覧のどのあたりに載っているか調べ、探してみると、堆積岩のうち、化学的沈殿岩という分類に掲載されていた。水に溶けていた物質が沈殿してできた岩石が化学的沈殿岩という分類になるのだが、チャートは海綿骨針・放散虫殻・微粒の石英などから成り、ほとんど珪酸(SiO2)から出来ているが、チャートと同じ分類にトラバーチンという岩石も掲載してあった。

私は4学期の地惑巡検である程度の知識を得ており、チャートについても僅かながら知っていることがあった。しかしチャートのそばに掲載されたトラバーチンという妙なネーミングの岩石については何も知らなかった。それが私のセンサーに引っかかった。あまり脈絡のない選定理由ではあるが、トラバーチンに関して、興味がチャートよりも多く湧き、トラバーチンについて調べることにした。しかし調べてみると、やはり重要な岩石であることや、知的好奇心を刺激する面白いことばかりで、結果的にはトラバーチンについて調べて非常に有意義であったと感じている。

2. 物性などの基礎知識

トラバーチンは、温泉、鉱泉、地下水中より生じた石灰質化学沈殿岩で、緻密、多孔質、縞状など、多様な構造をもつ化学的沈殿岩である。先述の通り、化学的沈殿岩とは、水中に融解状態で存在した物質が析出して沈殿し、堆積して固化して出来た岩石のことである。このことからも、堆積岩との分類にもなることが分かる。具体的には温泉沈殿物や鍾乳洞内の鍾乳石類、あるいは石灰分の多い河川沈殿物などを指してトラバーチンと称する。大型水生植物、コケ類、藻類、藍藻などの有機体はトラバーチンの表面に根付くことが多く、それによってトラバーチンは特徴的な多孔質となる。

トラバーチンの成因についてまとめる。簡単には、過飽和な石灰分を含むアルカリ性の水が地熱で加熱され、その熱水系の中で二酸化炭素分圧が上昇することにより形成されると言われている。大気の二酸化炭素分圧が低いため、その水から二酸化炭素が抜け、結果としてpH値が高く、すなわち塩基性の溶液となる。pH値が高くなると炭酸塩の溶解度が低下し、その結果沈殿が促進され、炭酸カルシウムなどの沈殿物が堆積する。地表の温泉沈殿物や河川沈殿物では、溶液からの脱二酸化炭素に生物活動が関与したり、水の蒸発によって沈殿が促進されることもある。

3. 工学的、社会的な見地からのトラバーチン

工学的なトラバーチンの使用法としては、主に建材としての使用が挙げられる。沖縄県宮古島では貝の化石を含むトラバーチンを生産し、建築資材や案内標識として使われている。日本の国会議事堂でも使われている。またローマにあるコロッセオは世界的に非常に有名であるが、そのコロッセオも大部分がトラバーチンで出来ており、トラバーチン建築としては世界最大である。コロッセオと同じように、古代ローマではトラバーチンは乾いて硬くなったトラバーチンを建材として頻繁に使用していた。またパリのサクレ・クール寺院にも使われているとのことで驚いた。私は去年の夏休みにそこを訪れたからだ。

トラバーチンは比較的軟質な石材であり、よって加工されて使用されることが多い。建築の正面の装飾や、壁に貼る材料として使用される。軟質であるため加工が容易であることがその理由と考えられる。しかし、その性質も裏を返せば厄介で、孔や溝があるため、トラバーチンを床材として使うと、仕上げとその後のメンテナンスが難しい。例えばメンテナンスのために表面を削って磨くと、新たな孔が見えるようになったりして、見た目が大きく変わってしまうことがある。トラバーチンはその独特の縞模様が魅力であるため、見た目の変化は避けるべき事態なのである。

他に使用されている例としては、近年オーディオ機器に使用されている例がある。低域も細ることなく音質向上に効果的なスピーカーボード、オーディオボード、ラックベースとして使用できる性質も、トラバーチンは備えている。かなりの音質向上に貢献できる素材のようで、使用の前後では劇的に変化がある。特に低音部分は、心地よいクリアな響きとなり、残響音も申し分ないようになる。相乗効果として中音、高音も良くなるそうだ。音響機器素材としての使用にも注目が集まる。

4. 感想

今回トラバーチンについて調べて、非常に有意義な経験になったと思う。名前も知らなかったどこぞの石くれが、歴史的にも、工業的にも、そして惑星科学的にもとても重要であることを知らされて、目から鱗の連続であった。この知識を生かすことが出来るのか、これからの地惑学科生としての活動に自ら注意していきたいと思う。そしてまた、機会があれば、別の岩石についてもマニアックなトリビアを仕入れて、蓄えられるとよいと思う。

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