ベタ of ベタ
今日は肩ロースを語ろうッス。
じゃなくてアウトローについて。アウトローってのはout law、つまり無法者ってやつのことだ。
こないだ彼女と僕の誕生日にデートしてた日の事だ。何だかオシャレな喫茶店に入った僕らは、とりあえず
『マックフルーリー』ってのを食べていた。そんでちょいと喋くった後、僕は彼女からプレゼントを貰ったんだ。
『ハイ、プレゼント。』
『うわあ、ありがとう!』
『開けてみてよ。』
『いーの!?じゃあ…
わ!缶バッヂだぁ!嬉しいなぁ!ありがとう萬音さん!』
『吉間クンのためなら320円も高い買い物じゃないわ…』
って感じで僕は彼女に貰った缶バッヂを胸んとこに付けてみた。
そうすると彼女は、吹き出したように笑った。それがまた可愛くて、流石ヤンジャンでグラビアしただけあるな、と僕も笑った。
そしたら彼女は嫌な顔をしたけど…。
僕らはそのオシャレな喫茶店を出て、歩きながら喋ったんだ。
『♪~♪~♪♪~』
彼女が鼻歌を歌っていた。
『(可愛いなぁ…。お目々パッチリだし、脚キレイだし。天パを矯正でゴマカしてる僕なんかが付き合っていいのかなぁ…。唯一のネックは…これを聞く限りじゃ、あんま歌上手くないな…。)』
ここで彼女は鼻歌をやめた。
『あんまり面白くないね……』
『そ、そうかなぁ…』
『……』
『萬音さんって名前に似合わず-…』
『何?』
『歌、下手だね…』
『…それって関係なくない……』
その時!!萬音さんの元彼と名乗る奴が来たのだ!奴の名前は偉坐 降(イザ フリ)。
彼女とのデートは3回目だが、3回とも会っているのだ。そのせいで僕らのデートはいつも同じみたいになっちゃうんだ!
けど偉坐はヤンキーを越えていた。
そう彼こそがそのアウトローの輩なのだ。彼女は明らかにテンションが下がっていた。
『会うとロー』になるのだった…。
偉坐はヨリを戻そ-ぜ-とかいつも言ってる。彼女はそんな気はないに決まってるのに!そしていつものように彼女は偉坐を軽くあしらった。
いつもならそこであいつは引き下がった。しかし
『今日と言う今日はァ!』
とか言い出した。そんで……
鞄から包丁を取り出したのだ!幸い周りには人が居なくて大騒ぎにはならなかった。
『ど-せギャグなんだからさっさとしまえよ』って言ってやった。
でも、偉坐の目はヤバそうだったのだ!これは普通の目じゃない!
『彼女の目の方がイイ!』
っと、おノロケのシーンじゃない!!
そんで偉坐は
『初めてですよ…
ここまでわたしをコケにしたおバカさん達は……』
と言って包丁を向けて僕らに一直線に走って来た!
しかしこんなときこそカッコ付け所だと思い、僕は彼女をかばって包丁を受け止めた…。
ぶすっ…。
服が破ける音がした。僕は胸を一突きされた。
そしたら偉坐は我に帰ったらしく、
『…ッ!!?』
と、消え去った。
彼女は僕に嬉しそうな顔で『大丈夫!?』と聞いてきた。
僕は大丈夫だった。
彼女の缶バッヂがあったからね。