性の対象ということ。
貴弘は悶々としていた。理由は貴弘の年齢が17歳で時計がAM1:00を表示していることから、容易に推察することができる。
そう、貴弘はオナニをしたいのだ(≧▽≦)ゞ
布団に入ったのがPM9:30(-_-)zzz
それからずっと頭から一向に離れない悶々とした思いと戦っていた。かれこれもう2時間半になる。マジバカ(^.^)
このままでは明日のオシャレに支障をきたすので、仕方なく貴弘は布団から抜け出る。
普通の男性(彼女がいなくて、常に性の矛先が自らに向いている人)なら、携帯あるいはパソコンの中の動画ファイルや本(エロ本)、またはDVDなどを種処理の媒体とするのだが、貴弘は少し違う。
布団から抜け出た貴弘はとりあえず本棚から数学Ⅱの教科書を取り出し、隆起した自らの分身に右手を添えた。
そう、貴弘は数学に対して異常なまでの性的興奮を覚えるという特異な性癖の持ち主なのだ(>_<)
右手で一物を握り、ゆっくりと刺激を与え、左手で教科書のページをめくる。不意に貴弘のページをめくる手が止まる。お目当てのPointが見つかった様だ。
定積分と書かれたページだった(ノ゜O゜)ノ
貴弘は常々、∫がこの世に存在する万物の中で最も美しいと考えていた。ちなみに2番目は∽である。
この曲線。そしてどんな状況に際しても、淡々と目の前の式を積分し続ける、その圧倒的なまでの存在感。彼女の前にはどんな数式も膝を屈し、頭を垂れ、aからbまで積分されるのだ。
この簡潔な美の中に静かにたたずむ相手に有無を言わせない強さも貴弘の脳髄を刺激するのだ。
鼻息荒く、ひたすらに自らの欲情に対して身を預け、一物を擦り続ける。
しかし……。
勃たない。全くという訳では無いが勃たたない。
よく考えると、今まで何度、∫に精を放ってきたことだろう。それは、教科書に点々と存在する染みの数が物語っている。
いくら∫の素晴らしさを分かっていても、流石に深層心理ではもう“慣れ”が始まっているのかもしれない。
∫に見切りを付けた貴弘は、夜も遅いので最終手段に打って出ることにした。
貴弘が引き出しからおもむろに何かを取り出した。その顔は微かに笑っている様にも見えた。
貴弘が引き出しから取り出したもの。それは……電卓だった。
貴弘はまず、1を押した。半勃ちの一物が徐々に精気をみなぎらせていく。次に×を押す。貴弘は半ば恍惚の表情になりかかっている。そして2を押し、=を押す。画面に2と表示された。
その瞬間である。貴弘の右手が一気に加速した。その間も左手は精密機械の様な正確さで2、×、=とボタンを押していく。
貴弘の意識はもうほとんど無いのかもしれない。目は虚ろに―しかし、電卓の画面だけはしっかりと捉え―なり、左右の手は光をも凌ぐSPEEDで動いている。
キトゥーが紅潮し、竿部分に脈が浮き出てきた。そろそろ絶頂を迎える。
絶頂に達した瞬間、貴弘は電卓に精を放つと同時に、意識を失った。
目が覚めると窓の外は明るく、時計の針は10を指していた。
欠席する旨を学校に電話して伝えた。
どうせやることは無いと考えた貴弘はまたオナニをすることにした。服を脱ぎ、風呂に入り、軽くシャワーを浴びてから湯船につかった。
まるで、子供が湯船からあがるまでの時間を数える様に、貴弘は円周率を唱え始めた。やがて一物も力強さを取り戻して来た。
平日の午前中から湯船でオナニってのも乙なものだと、貴弘は思った。