【第6回】「見えない」とは何か?【全6回連載 声ブログ】

(これは2015年09月06日に,散歩しながら喋った声ブログを文字起こししたもの.全6回に分けて連載するよ)
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見えるのに見えない!

意外と「見ているつもりでも見えていない」ってことは往々にしてあるんだよね.ゴリラの有名な動画がある. Inattentional Blindnessっていうのがあって,訳せば「注意してないがゆえに見えてない」.自分が気をつけてないものは見えないんだって言う,そういうこと.(下の動画がそれだから,日本語字幕を表示してテストしてみて!)


白い服と黒い服を着た人が画面の中でバスケットボールのパスをします.白い服の人が何回パスをしたのか数えてくださいっていうテスト.ボールは画面内に2個あって,黒い服の人は黒い服同士でパスをして,白い服の人は白い服同士でパスをするんだけど.白い服の人のパスを数えてくださいっていう動画を見せられる.
答えは確か13回.でもそれはほとんど重要じゃない.何が肝かって言うと,今見せられた動画の中でゴリラが右から左に横切りましたと.それに気づいた人いますかっていうこと.意外と気づかないんだよね.白い服の人ばっかり見てるから,黒については注目しないんだよね.ゴリラは黒いきぐるみなんだけど,黒には全く注意を払ってないからゴリラが通ったことに全然気づかない.こういうことが起きるわけだよね.

子供はなぜ目聡いか?

俺はこのInattentional Blindness とトトロの猫バスは関連があると思ってるんだよね.子供って生まれたばっかりの時は何も知らないから,すべてのものが新鮮に見えるわけだ.大人は何年も生きてるからすべてのものが新鮮って言う訳ではない.となると,見てても「これは知ってる」って言って,情報を捨てるんだよね.他の多くの感覚を差し置いて,視覚は人間の脳をものすごく支配している.それでも視覚で入ってくる情報は膨大だから,見ている情報すべてを脳で処理する余裕はない.だから脳は注意するべきものだけに注意して,注意しなくてもいいものの情報を捨てるんだよね.
子供の脳は,どれが注意するべきものでどれが注意すべきものでないかの判定が出来ない.だから情報を捨てないで,全部に注意を払う.そうすると何が起きるかって言うと,子供はすごく見落とさない.「子供はよく見てるなぁ」ってことが起きるんだよね.でも別に,子供だけがよく見ているんじゃない.大人だって見えてはいるんだよね.でも気にしてないんだよね. ”Inattentional Blindness” として捨ててるわけだ.
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で,何かというと猫バスの話ね.猫バスは何かって言うと,「大人には見えてなくて,子供にしか見えない」.これって ”Inattentional Blindness” そのもの.そういうところなんじゃないかと俺は思うんだよね.猫バスは「見慣れてしまったがゆえに無視されているもの」なんだと思うんだよね.まぁでも,かといってこの考察がトトロの物語にどういう示唆を与えるかちょっと分かんないだけどね(笑).猫バスは ”Inattentional Blindness” だと,そういうふうに言っとくと,ちょっとかっこいいかもね.毎日多くのものを見てるけど,視覚は多くの情報を捨ててるという例だな.そんなとこで終わりにしておこうか.第4回くらいかな,声ブログでした.

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