落水荘、マイレア邸、その自然へのアプローチの仕方について
これは,2012年5月31日,大学4年生の僕が授業「近代建築史」の課題レポートに書いた文章.論旨がさっぱり読み取れなかったんだけど,たぶん「建築と自然が調和する方法は,自然の性質により異なる」だと思う.紹介した2邸はどちらもよく自然と調和しているが,そのアプローチは異なる.異なるアプローチを取る理由は,この2邸が調和しようとする「自然」自体の性質が大きく違っているからだ.ということ?
元々見出しは無かったし追加できるほど論旨を理解できてないので,このレポートは見出しを追加せず元のまま掲載します.ただ第4項 (パラグラフのことを項と呼んでます) は,元は第3項と繋がってたけど分けました.理由はあまりにも長い項になってしまって読みにくかったから…
自分の視野を広げるために他学科であるがこの近代建築史をとらせていただいた。建築については素人であるがその観点からこの課題に取り組み、気づいたことを述べようと思う。
落水荘、マイレア邸共に初めて見た感想としては、どちらとも自然を相手に自然と共に建っているなということがあげられる。しかしながら両者を比較して見てみると自然へのアプローチの仕方が違うのではないかということに気付いた。それは、落水荘は「自然であった建物を建物として主張させよう」としているのに対し、マイレア邸は「建物を自然に溶け込ませよう」としている点である。実際に両者を比較して見ていきたい。
立地は落水荘は自然に囲まれた滝の上、マイレア邸は自然に囲まれながらも土地としては平たんなところにある。自然が周りにあふれているという点では共通である。どちらも自然に溶け込み、自然を無視していないことがうかがえる。しかし、素材の面で違いがあることに気付いた。ここで素材について見ていきたいと思う。落水荘は周りと一体化したかのようなデザインであるが、建具などは真っ赤に塗られている。一方マイレア邸は建具等、木など、素材の風合いを活かしている。小さな差の様だが意味のあることなのかと考えた。
同様にして他の部分も見てみることとする。形。マイレア邸は曲線をうまく使い、自然な形を演出しようとしているかのようである。個人的にはアールトのこの手法が大好きで好きな建築家の一人でもある。生きているデザインがマイレア邸でも随所に見られてうれしい限りである。落水荘は形で見ると直線が多用され、どっしりと滝の上に構えているにふさわしい。直線を使いながらその複雑さで岩肌を表現しているかのようである。マイレア邸との比較で見ると、その外観は自然になじみながらもどこか建物としての主張を感じる。逆にマイレア邸の方は自然に寄り添うような感じである。先ほどの建具等も見てみると、落水荘は真っ赤で主張した感じ、マイレア邸の方は素材の良さを活かして自然に近づこうとしている様がうかがえる。
少し整理して考えようと思う。どちらも自然に溶け込んでいるのは同じだが、どうもアプローチの仕方が異なるのではないのか。立地から再び見てみると、言うならば落水荘は断崖絶壁、マイレア邸は普通の住宅街とあえて捉えなおすこともできるのではないだろうか。前者は自然の強さが住宅に対して勝っているが、後者は住宅があってこそである。だからこそ、前者では自然のあった場所に家として主張したいという思惑、後者は設計でできるだけ自然と一体化したいという欲があったのではないのか。このようにみると全く違った建物に見えるようになってしまった。
一般の人からみるとマイレア邸の考え方のほうが馴染みがある。自然と一体化する、共生するといった考え方は多くの人に受け入れられると思うし、多くの建築家がそうしようと努力していると思う。ライトの落水荘は、自然の力が強すぎて普通に建てると自然に飲み込まれてしまうのではないかとさえ思わせる土地に「建物」として建っている。実際このような空間に普段行かないだけあって、ライトの土地に対する構え方は新鮮で面白いと感じた。
この課題をやることによって「名作」とよばれる住宅について知ることができたのはなによりであったし、両者を比較することにより見えてきたものがあって「名作」と呼ばれるのは理由があるのだと実感した。今住んでいる画一化された家と違い、両者とも家の隅々にまで建築家の配慮が行き届いており、その部分にも感動した。実際に見に行ける機会があったら是非訪れてみたい。

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