【語義】平等はモノ,公平はヒト【違い】

端的に「モノを揃えるのが平等,ヒトを揃えるのが公平」です.
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「何を」揃えるのか?

「平等」と「公平」も,「どの人にも同じように」と言う意味だけど,詳細な語義は(少なくとも僕の中では)差を持つ.違いは「何を揃えるか」だと僕は思ってる.簡潔に結論をまとめると下の表の通り.

揃えるときの注目対象
平等 モノ
公平 ヒト

例えば下記の絵で言えば,「箱の個数」という「モノ」の性質を揃えようとすることが「平等」.「目の高さ」という「ヒト」の性質を揃えようとすることが「公平」.
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他にも消費税は誰でも一律で「購入金額」の8%に課税される.これは「購入額」という「モノ」側の性質に注目してる.一方,所得税はその人の「所得」に応じて課税率が大きく変動する.これは「所得」という「ヒト」の性質(性質という表現は正しくないけど,意味分かるよね?)に注目して条件を揃えてる.これは「公平」を目指してるからだね.

公平は,平等よりも難しい

ただし,それほど簡単な問題でもない.「平等」は簡単だ.条件を揃える対象が「モノ」だから,個数でも金額でも質量でも体積でも何でもいいから揃えればいい.「公平」が難しい.条件を揃える対象が「ヒト」だから,各個人が「これなら全員にとって公平だね」と思って初めて「公平」は実現される.
さっきの野球観戦の例で言えば,一番背の高い人が「俺はできるだけ高い位置から野球観戦したいんだ!3人が観戦していて,3個の足場があるなら1個ずつ配るのが公平だ!」と言うかも知れない.累進課税についても同じ.「課税率が累進するのは構わないが,この累進度は厳しすぎる.もう少し低めに設定してくれないと,頑張って稼いだ甲斐がない!」と不満が出るかも知れない.
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つまり「平等感」を演出するのは簡単.「そうですね.では足場を全員に平等に1個ずつ渡しましょう」とか「全員,同じ課税率にしましょう」とか.「モノ」の条件を揃えるのは簡単.客観的だから,合意しない人を無理やり説得することだってできちゃう.「”平等”は,モノの条件を揃えることに焦点を置きます.条件が揃った以上,”平等”は既に実現されています.反論は受け付けられません」.
でも「公平感」を演出するのは難しい.それぞれのヒトが,「何について揃えるべきか?」について合意してないと,話が永遠に収束しない.観戦する目の高さを揃えたい人がいれば,「全員が観戦できること」を条件として揃えたい人もいる.課税率が不当かそうでないかなんて,個人の価値観が介入する余地が大いにあって,平等とは比較にならないほど曖昧だ.

語義を明らかにして,間違いのない意思疎通

言葉を正しく使うことは,間違いのない意思疎通には必須.でも,ここで述べた「平等」と「公平」の定義は(一般的だとは思うけど)常に誰でもが了解していることでは無いはず.相手と「ここで言う”平等”って,何を揃えることを意味してる?」と確認をとって,正確に会話を進めよう.

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