3 進数に基づく「立方歴」を発明した

現行の暦システムには例外が多すぎる
暦と時刻は、例外の悪夢だ。一見すると 1 分 = 60 秒、1 時間 = 60 分と規則的に見えて、その規則は 1 日 = 24 時間で破られる。1 ヶ月は 28 – 31 日の「いずれか」で、そもそも 1 つに定まらない。そして 1 年 = 12 ヶ月、1 世紀 = 100 年と続き、一貫性の無さには笑えてくる。
比 | 従来の暦 |
---|---|
年 / 世紀 | 100 |
月 / 年 | 12 |
日 / 月 | 28、29、30、31 |
時 / 日 | 24 |
分 / 時 | 60 |
秒 / 分 | 60 |
不規則な例外を排除して、純粋で整然な暦を考えてみたい。変えがたいのは「1 年 = 365 日」で、これは地球と太陽の関係によって決められてる。これを所与の前提として受け入れつつ、その他の概念を新たに定義し直すことで簡潔な暦「立方歴」を作ってみた。
新しく発明した「立方暦」で、核となるのは「2 年間の日数 730 は、3^6 = 729 に近い」という事実。2 年間の日数 (の近似値) を、3 の累乗で簡潔に表せるのだ。2 年間を単位に選ぶ理由は、1 年の日数を 3 の累乗で近似すると 365 ~ 3^6 / 2 = 364.5 と、「÷ 2」が挟まって都合が悪いため。
立方暦における年月日の定義
従来の暦で「2 年」と呼ぶ期間 (約 730 日間) を、立方暦における「1 立年 (りゅうねん)」と定義しよう。立方暦文化圏では、地球の太陽 2 周が 1 単位なのです。ちなみに「立年」の「立」は、「立米 (りゅうべい)」の「立」に由来する。立方暦は 3 乗の計算と深い関係があるのでね。
同様に 1 立年 = 27 ヶ立月 (かりゅうげつ)、1 ヶ立月 = 27 立日 (りゅうにち) と定義する。ここで、1 立日は、従来の暦における 1 日と同じもの。年月日の倍率が 33 = 27 に統一されて見通しが良い。従来の暦の 1 年 = 12 ヶ月、1 ヶ月 = 28 – 31 日という酷い不規則性と比較して、洗練されていて簡潔だ。

従来の暦の日付と立方暦の日付の対応の例をいくつか示そう。前述の通り立方暦の 1 立年は従来の暦の 2 年なので、西暦の偶奇が立方暦での日付に影響する。ここでは西暦偶数年を立年の前半に、奇数年を立年の後半に対応させて表記してます。
従来の暦の年月日 | 立方暦の日付 (年を除く) |
---|---|
1990 年 10 月 20 日 | 11 月 23 日 |
1994 年 9 月 6 日 | 10 月 6 日 |
2007 年 6 月 16 日 | 20 月 19 日 |
2023 年 7 月 2 日 | 21 月 8 日 |

立方暦における時分秒の定義
立方暦における時分秒の定義は、1 立日 = 27 立時間 (りゅうじかん)、1 立時間 = 27 立分 (りゅうふん)、1 立分 = 27 立秒 (りゅうびょう) です。「年月日時分秒」のそれぞれを「補助単位」と呼ぶことにすると、それぞれ隣り合う補助単位の間の比は 33 = 27 で一貫している。

同様に 1 立世紀 (りゅうせいき) = 27 立年と定義することで、年月日-時分秒の記法を網羅できる。下が立方暦での各補助単位と、従来の暦との対応表。単に 33 の比率で倍々にしただけにしては、1 ヶ立月と 1 ヶ月、1 立時間と 1 時間は好対応だ。ズレの大きい 1 立世紀 = 約 0.5 世紀、1 立年 = 約 2 年、1 立分 = 約 2 分なども、だいたい 2 倍または 2 分の 1 倍に収まってる。
立方暦 | 従来暦換算 (概算) | 従来暦換算 (厳密) | 従来暦 | 比 (= 立方暦 / 従来暦) |
---|---|---|---|---|
1 立世紀 | 約 54 年 | 19,683 日 | 36,500 日 | 0.54 |
1 立年 | 約 2 年 | 729 日 | 365 日 | 2.00 |
1 ヶ立月 | 約 1 ヶ月 | 27 日 | 28 – 31 日 | 0.87 ≤ x ≤ 0.96 |
1 立日 | 1 日 | 1 日 | 1 日 | 1.00 |
1 立時間 | 約 1 時間 | 53 分 20 秒 | 60 分 | 0.89 |
1 立分 | 約 2 分 | 約 118.5 秒 | 60 秒 | 1.98 |
1 立秒 | 約 4.4 秒 | 約 4.4 秒 | 1 秒 | 4.40 |
立方暦の 3 進数表示による機能性
立方暦を 3 進数で表示することで、補助単位の関係性の見通しが抜群に向上する。理由は、3 進数を使って立方暦を書くと、時間の経過が単純な 3 進数の数え上げに一致するから。注意点として、以降の議論では普通「1 月」「1 日」など 1 始まりで呼ぶものを「0 月」「0 日」と 0 始まりで呼びます。
各補助単位は 10 進数表記で 0(10) – 26(10) の間の値を取り、3 進数表記するなら 0(3) – 222(3) だ。例えば19(10) 立年 26(10) 立月 19(10) 立日 (以降、単に 19-26-19(10) と略記) は、3 進表記で 200-222-200(3) と書ける。100(3) 立日 (= 9(10) 日) 後に立日が繰り上がり、同時に立月も繰り上がって 201-000-000(3) になると一目で分かる。

年月日の繰り上がりが明快なのと同様に、時分秒の繰り上がりも明快だ。立方暦の 19(10) 立時 26(10) 立分 19(10) 立秒 (以降、単に 19:26:19(10) と略記) は、3 進表記で 200:222:200(3) と書ける。100(3) 立秒 (= 9(10) 秒) 後に立秒が繰り上がり、同時に立分も繰り上がって 201:000:000(3) になると一目で分かる。
立方暦では各補助単位間の繰り上がりが、単純な 3 進数の繰り上がりと一致するから直感的。24 時間で繰り上がって 1 日になるとか、60 秒で繰り上がって 1 分になるなどの、従来の暦にあるような不規則性が無い。
比 | 立方暦 | 従来の暦 |
---|---|---|
年 / 世紀 | 27 | 100 |
月 / 年 | 27 | 12 |
日 / 月 | 27 | 28、29、30、31 |
時 / 日 | 27 | 24 |
分 / 時 | 27 | 60 |
秒 / 分 | 27 | 60 |
立方暦ではうるう年の扱いが課題
立方暦で「うるう年」を統一的に扱う枠組みは、まだ考えてません。地球が太陽を 1 周する期間は厳密には 365.242 289 572 日で、2 年間なら 730.484 579 144 日。1 立年 (= 729 日) 間で約 1.48 日のズレが生じる。従来の暦ではうるう年をある規則で挿入してズレを修正するけど、立方暦では?
小数部分を 3 進数表示すると活路が見えるかもしれないね。0.484 579 14…(10) を 3 進数で表示すると 0.111 002 02…(3) となる。つまり、うるう年を挿入する頻度を 3 立年ごとに 1 回、32 立年ごとに 11(3) (= 4) 回、33 立年ごとに 111(3) (= 13) 回、34 立年ごとに 111(3) 回 (同じ)、… とすればよい (のかな?)。
僕はもう分からないので、気になる人は考えてみてね!!