ソフトウェア製品の有機的で深い統合 – Google の例

Gmail と Google カレンダー

Gmail でスケジュール調整に関連するメールを受け取ると、自動的に Google カレンダーに予定を登録してくれる。例えばホテルの宿泊予約をして「予約を受け付けました」ってメールを受け取ると、予定が自動的にカレンダーに反映されて、とても便利。

Google カレンダーにおけるホテル予約の詳細を表示するインターフェース。予約情報がメールから自動的に追加されたことを示す赤い枠が強調されている。
この予定はメールから自動的に追加されました

Google Meet と Google Docs

Google Meet は、会議の議事録を Google Docs に自動作成してくれる。ただのテキストファイルじゃなくて Google Docs として保存されるから、会議のあとで参加者同士で議事録を共同編集したり、URL で不参加者とも共有したりできる。この機能は 2025 年 3 月 12 日に提供が開始した。

Take notes with Gemini in Google Meet – YouTube

Google フォトと Google マップ

スマホ版 Google フォトは、撮った写真の場所を Google マップに表示できる。合わせて写真の撮影枚数のヒートマップも表示してくれる。視覚的に自分の過去の旅を振り返れる。

日本の地図と、特定の日付の写真が表示されるスマートフォンの画面。地図上にはヒートマップがあり、左側には選択した場所に関連する写真がサムネイル形式で並んでいる。
Google フォトで、撮った写真を地図に並べて一覧する

この機能とても面白いのに、PC 版の Google フォトでは見れないのよねえ。残念。

Google Chrome と Google 翻訳

Google Chrome は、ウェブサイトの言語を任意の言語に翻訳できる。Chrome に Google 翻訳を組み込むことで、インターネットから言語の壁を取り除いてくれる。

URL バーの Google 翻訳アイコンをクリック

YouTube と Stadia

かつて YouTube では、ゲームのプレイ動画から 1 クリックでそのタイトルを遊び始めることができた。Stadia の Click to Play と呼ばれる機能がそれ。

Imagine you’re watching games on YouTube, and you discovered the latest Assassin’s Creed Odyssey trailer on Ubisoft’s official channel on YouTube. You will notice the [Play Now] button. By simply clicking on the button, the player is brought directly into the game in a browser in as quick as five seconds.

(Google 翻訳) YouTube でゲームを視聴していて、Ubisoft の YouTube 公式チャンネルで最新の『アサシン クリード オデッセイ』のトレーラーを見つけたと想像してみてください。すると、[今すぐプレイ] ボタンが表示されます。このボタンをクリックするだけで、わずか 5 秒でブラウザでゲームに直接アクセスできます。

Google’s Stadia Announcement at GDC 2019 in Under 14 Minutes – YouTube
Stadia の紹介プレゼン。Click to play が最初に紹介されてる

Stadia は 2019 年から 2023 年までのわずか 4 年間で幕を閉じたけど、目指していたユーザー体験はとても革新的で、クラウドゲーミングならではだったよね。

複数のソフトウェア製品の深い統合

Google 製品同士は、深く統合されている。こうした統合は、様々な製品を取り揃える Google だからこそ実現できる。メールだけを提供していたら、カレンダーに連携できないし、ブラウザだけを提供していたら、ページの翻訳を提供できない。

異なる製品同士の連携にも関わらず、体験はとても滑らかで切れ目ない。Gmail とカレンダーは別の製品だし、Meet と Docs も別の製品だ。フォトとマップ、Chrome と翻訳、YouTube と Stadia も、それぞれ異なる製品同士だ。にもかかわらず、製品の間に断絶や境界をほとんど感じない。

それぞれ別々の製品が、組み合わせで新しい価値を生み出すのはソフトウェア製品ならではだ。ある製品の出力が別の製品の入力になり、相乗効果でユーザーに新しい価値を提供する。Google 製品群の有機的で深い統合は、こうしたソフトウェア製品の特性を上手く活用しているね。

「コンパウンド・スタートアップ」という戦略

Rippling 社の CEO Parker Conrad 氏は、同社の創業時に Compound Startup (複合スタートアップ) という言葉を提唱した。特定の 1 つの製品やサービスで問題を解決することに焦点を当てる「ポイントソリューション」と対比して、次のように説明されている。

複合スタートアップは、単一の企業の下で幅広い製品やサービスを作成することに焦点を当て、共有されたリソース、技術、および市場洞察を活用して、複数の分野で同時に成長を促進します。この戦略により、スタートアップは製品を多様化し、さまざまな収益源を活用することができます

複合スタートアップとは?| リップリング用語集

複合タートアップの趣旨は「相乗効果で価値を生み出すソフトウェアの特性を活用せよ」ということにありそうだ。Google はもはやスタートアップではないけれど、ソフトウェアのコンパウンド (複合) を巧みに利用して市場シェアを盤石にしている印象だ。

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