もう付いて行けない
建築学科ってのがうちの大学にはある。どんな学科かあんまり知らないけど、とりあえず忙しいらしい。課題がたくさんでるわけじゃなくて、個数はたぶん普通。でも一つ一つに要する作業量がとんでもない。
例えばパソコンでCGで家のモデル作ったり。500分の1の縮尺で模型作ったり。模型作るのは手伝ったことあるけど馬鹿みたいに手間がかかる。
だから課題に追われる忙しい日々になっているわけだ。毎日ちゃんとやり抜かないと期限までに作業が完成しない!ちゃんとやったって間に合わないこともあるのに!みたいなね。
俺の大学生活は全然違う。そういう感じじゃない。
そもそも課題の個数は変わらないと思うんだ。まあ『課題の個数』ってどうやって数えるんだよって問題もあるけどさ。期限とか頻度とか分量とか受けてる講義数とか、いろいろファクターがあるから一概に『課題の個数』って言えないけどさ。
でも建築学科と比べて確実に量的には少ない。『量的には』と断ったからには続きがもちろんあってですね、その反対に『質的には』莫大な労力を要すると思うんだ。
てか、それは少なくとも俺にとっては、って話なんだけどさ。ここで言う課題の質って難易度のことを指して言ったつもりだけど、恐らく『ちゃんと授業に行って友達とあーだこーだ話し合ったりして、勉強を普段からやってる人』は、俺が思うほど難しくは感じてないかもな。
でも俺はそうじゃない。そもそもの失敗は大学に全然友達がいないことだけど、そのせいで授業にも行かないわ話し合って勉強したりもしないわだから全然学力が上がってない。大学に入って高校で習ったことを多少忘れるのはいいとしても、新たに何も身に付いてないのはかなり問題。まあ授業行かないのは友達がいないせいじゃないけどさ、悪いのは自分だけどさ。
とにかく勉強が分からない。先生(とか、最近はゼミもやるから先輩から教わることも増えたけど)の行ってることがあんまり分からない。聞いてる間は分かったような気になっちゃうからまた悪い。
課題(って言うのかな。とにかくやらないといけない、済ませないといけないタスクが今4件も積もってて、そのうち2つは死ぬほど難しい…)に取り掛かろうと思うじゃん。そうやって紙とペンとパソコンを用意してやろうかと思うわけよ。
ところが難しすぎて手も足も出ないのよ。課題消化に向けて始めたつもりでも、結局何も始まらない。基本的な周辺知識、土台になる基礎知識が圧倒的に足りなくて、課題に取り掛かる前にまず別のことをやらないと始まらない。
そのうち課題の進まなさにイライラして、余計なこと始めちゃったりして。パソコンなんてオモチャだからね、遊ぼうとしたらいつまでも遊べちゃう凶器だ。
やらなきゃやらなきゃって思う心掛けは自分で自分を評価したいけど、でも始めても始まらない!この無力感が分かるかい?
つまり言いたいことはこうだ。建築学科は忙しい忙しいって言うけど、それは簡単なんだよ。なぜなら課題が作業だから。肉体労働とでも言おうか。作業量が多いから忙しいだけで、本質的には簡単な課題なんだよ!やればできるから。作業は始めれば進から。
俺は違う。勉強ができないことが原因だから、何もこんなに威張って言えることじゃないんだけどさ。
始めても、課題に取り掛かっても、一向に進まない!俺は何をしたらいい?途方に暮れちゃうわけ。何をするのか分からない。何をするのか分かっても、次に勉強が分からないって壁がある。課題の内容が作業じゃないから、やれば終わるってもんじゃない。解けない問題は解けないんだ(俺の実力じゃ、ね)。
例えるなら何だろう。
分かんないけど、『やれば終わるって見えてる課題は楽。俺は手も足も出ないからしんどいんだ』ってことね。あー、ちゃんと友達作っとけば今ごろこんなことにはならなかったんだろうなーって、ちょっぴり後悔。いや、結構大幅に後悔します…。