▼オレンチでフレンチなハレンチ

《中略》
何よりこの日、一番エキサイティングだったことは言うまでもなく
『エレベーターで、さち先輩(仮名)とは似ても似つかない美女と二人きりになったこと』
だろう
俺はフランス語の講義を聴くべく西2号館のエレベーターのボタンを押し、来たる小テストの恐怖に体をうち震わせていたもう時計の長針は3を通り過ぎ、4に近づく
つまり1時18分。授業が始まる
ワイヤーに吊られて穏やかに上昇する籠が3階に到着した時だった横に滑り消える扉と引き替えに、俺の視界に飛び込んできたのはさち先輩とは似ても似つかない美女だった
繰り返しになるが、念のためもう1度言おう
さち先輩とは……
あっ、やっぱやめた
目の前に存在する圧倒的な美の具現に心を奪い去られ、自分でもどのくらい恍惚としていたか分からない長い間、四角い空間に視線を注ぎ続けていたようだった
『あのう、これ上がるんですけど乗りますか…??』
a girlを乗せたエレベーターが
上が~るヾ(=^▽^=)ノ
『すいません乗りますっ』
間もなく、高々1平米の床の上に、美女と野獣が立っていた
おとぎ話さながらの組み合わせではあるが、ファンタジーとの大きな違いは大事なアレが無いことだよ、枯れて散りゆく薔薇の花
……野獣はどこまでも野獣だったのだ
『あ何て言うのかな、この胸のモヤモヤは甘い苦いそしてグッと込み上げる思い……繰り返す、このエンドレスな日々に、ふと頭をよぎるモノは…』
野獣の脳は尋常からは考えられない驚くべき速度で回転し始めた無論、これは慣用表現とかじゃなくて、実際に脳みそが頭蓋骨の内側でグルグルしたってことだよ
『あー頭が熱い←摩擦熱
体中が熱い←摩擦熱
これが………恋Σ( ̄□ ̄;)←アブサロム』
その刹那、人を好きになったことのない野獣、『恋なんか分かんない子』←回文
考えた。
『これって……今何かアクションすべきなんだろうか……てか何かしないとイケナイ気がする』
この気持ちを、お笑いの世界ではフリへの呼応と呼び、人生においての転機と呼び、犯罪における動機と呼ぶ
『俺………この人が好きだ……

他の人に取られたくない……

独占したい

束縛したい

監禁したい

拘束したい

押さえ付けたい

ぶん殴らなきゃ』
地面を離れ空へと近づく籠の中で、一つの戦争が始まる。
と、思ったらエレベーターは8階に到着してしまった(◎-◎;)フランス語の授業がもう始まっちゃうよ
【罪名】
強制猥褻未遂罪
【判決】
懲役90分(フランス語)
及び
罰金ガム宮殿(イギリス)
閉まりゆく扉を背に、被告人ビーストは去り際、美女には聞こえぬ小さな声でこう謝罪したという………
『ごめんなさい………
エレベーターで………
オナラしちゃった笑』
(2010/01/12)

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