昆虫、恐竜、哺乳類… 進化の大冒険を発見しよう – 書評 2025 Q2
ゆびでたどる進化のえほん
地球生命の進化の歴史をカラフルなイラスト付きで一望する本書は、子供から大人まですべての人の好奇心をくすぐる良書。見開き 10 数枚ほどとは思えないくらい見て読んで楽しい絵本なので、色々な人におすすめできる。というか、僕は実際に人に勧めた😁

見どころは昆虫、恐竜、哺乳類あたり。完全変態昆虫のハチ、ハエ、チョウ、甲虫が系統樹の近い枝同士なのを確認したり、意外な哺乳類がヒトに近いのを知ったりと、読書体験は発見の連続だ。「鳥は恐竜の一種」とキッパリ整理しているのも面白い。最新の知見では、どうやらそうらしいもんね。
特に絶滅種を 1 つの系統樹に位置づけるのは難しいらしく、最新かつ信頼できる出典を数多く参照して構成したそうだ。掲載された美しいイラストも、近縁な生物種を参考に色や模様を慎重に検討したと、巻末のコメントに書かれていた。
シークレットバイブル 約束のネバーランド 0 MYSTIC CODE
漫画『約束のネバーランド』の原作者と担当編集者の対談を収録したファンブック。本編では登場しなかった裏設定や制作の裏話などが満載で、ファンは垂涎間違いなし。

一番驚いたのは、鬼が食べたものの形質を受け継ぐ設定は、途中から付け加えられたという話。物語の核心的な秘密とギミックが、実は後付け設定だったとは!そのせいで微妙にチグハグな発言が第 1 話にあるのも含めて、『約ネバ』への愛着がグンと増した感じがした。
読書家な編集者の見識や知恵も、見どころの一つ。例えば編集者曰く、こうした「人を襲う魔物からの逃走モノ」は特段珍しくないらしく、似たところのある小説『新世界より』と対比した考察もあった (そういえば僕も昔読んだような…)。上記の鬼の設定も、編集者の助言から生まれたそうだ。
ちなみに、中身は漫画じゃないので注意。まるで「これは、本編の前日譚に当たる “0 巻” です」とでも言いそうな表紙だし、Amazon には勘違いした人のレビューもあった。無理もない…😅
