救世主物語。

哲彦は人生始まって以来の窮地に立たされていた。
奴らの怒涛の攻撃に気持ちは焦るばかりだ。手先は震え、まともな判断を下すことなど、不可能に近い。
『くそったれ!』
姿の見えない敵に怒りをぶつける。
『なんて、俺は運が悪いんだ……』
次々と襲いくる敵の攻撃をギリギリのところで避けながら呟く。
確かに、哲彦のツキの無さは驚異的だ。
『あいつさえ、来てくれれば……』
思わず本音がこぼれる。
『なんで、まだ来ないんだ!もう、始まって10分は経ってるぜ!』
そう、奴が来てくれればこんなにも苦しむことにはならなかったのだ……。
そのときである。
『来たっ!!』
そう、遂に奴が来た。
奴は来たと同時に全てを消し去って行った。
『こいつは噂以上だな…』
先ほどのまでの劣勢が嘘の様に戦況を覆していく。
『やっぱり凄いなぁ。』
しみじみと戦いを振り返る哲彦。
『やっぱりテトリスは長いのが来ないとな』
っておいっ!

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