YouTubeに写った場所をGoogleマップ上で特定した話

ドローンでものを運ぶ.
検証したい興味深い動画
ドローンは最近ぽっと出てきて何かと存在感のある技術.ホビー用途で飛行するものもあるけど,ドローンで凄いのは「配送」のような産業応用.1つ面白い動画を見付けたので紹介しよう.
ドローンの配送って面白いけど,「ドローンで運ぶと速いよ!」というメリットがないと意味がないよね.この荷物を配送する動画,ドローンと従来手法でどっちが速いのか比較したい.
Google Mapsで現場を特定
検証方法として,確実だろうけどすごぉく面倒くさい方法を採った.「YouTube動画に映ってる景色をGoogle Mapsで探して,場所を特定する」というもの.気が遠くなるでしょ.でも出来ました.これが動画の場所!

出発地点が右下の場所で,左上の場所が到着地点.動画内では荷物を配送してから出発地点までドローンは帰還してるけどね.緯度経度で書くならそれぞれこの地点.
場所 | 緯度 | 軽度 |
---|---|---|
発 | 36.988492 | -82.530074 |
着 | 36.995665 | -82.535134 |


四角に囲われた羊の柵も見えるし,円筒状の謎の構造物も見える.到着地点付近の特徴的な折り返しの道路も見える.間違いないね!試しにGoogleマップ上で車移動の所要時間を算出してみたら,たったの5分でした.

動画を見ると配送に3分程度かかってるから,これは速いと言って良いのか,それほど速くもないのか…笑.まぁでもスタート直後の破線の領域は,(Googleマップからでは分からないけど)動画見れば明らかなように,車で突っ切れるような場所じゃない(林になってる)から,この所要時間の見積りは少し短めに出てるでしょうね.
これは面倒くさい作業
YouTube動画に映ってる景色から,それが地球上のどの場所かを特定するなんて,よっぽど有名な場所か親しんだ場所じゃなきゃ出来ない.該当の動画の説明欄にはこう書いてある.
On July 17 2015 Flirtey made history with the first drone delivery in the US, delivering 24 packages of urgent medical supplies in Wise Virginia.
(翻訳) 2015年7月17日,Flirtey社はバージニア州のワイズ郡で24個の緊急医療供給パッケージを配送し,アメリカで初めてドローンを利用した配達という歴史を作りました.
Flirtey making history with the first US drone delivery – YouTube
つまり,この動画が撮影された場所はバージニア州であることだけは分かる.でももっと具体的に「ワイズのどこなのか?」ということは分からない.地図で調べるしかない.

やることは単純だけど,動画に映ってる場所をGoogleマップから探すのは簡単じゃなかった.しかも,最終的に発見した該当の場所は,Googleマップで「ワイズ」とぐぐって出てくる範囲(赤線で囲われてる)の外側にあったから探す苦労は相当だった笑.内側じゃないのかよ笑.

ネット情報の「名寄せ」力
探すのは楽しいし,「書かれてないけどよくよく調べれば分かるもの」「複数の情報を付きあわせて新しい情報を作り出すこと」って面白い.今回の場合で言えば,「配送会社が公式に出してるYouTube動画」と「Googleマップの航空写真」を付きあわせた.配送会社が公表してないほどの詳細情報も,別の情報源と付き合わせることで判明することが出来る!

ネットの情報は膨大だけど,(比喩的な意味で)情報源を名寄せして整理すれば,公表してないつもりの情報も実は公開されていたも同然,みたいになるんだろうなぁ.