イタリック体の活字が発明された意外な理由とは? – 書評 2025 Q1

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初めて書籍を作った男

書籍に標準的に用いられる技術を発明した人物の伝記。目次、序文、ページ番号、句読点の使用、イタリック体、索引などを発明した、アルド・マヌーツィオの生涯の物語が詳しく語られる。断片的な史料を網羅的に統合し、読みやすく時系列に整理した点がこの本の新規性なのだと思う。

初めて書籍を作った男

例えば強調に用いられるイタリック体の起源は、次のように紹介される。ルネサンス時代の印刷人が何よりも目指していたのは、写本と見分けがつかないほどの印刷本を作ることだったそうだ。そうした動機がイタリックを生んだのだろう。今気づいたけど、Wikipedia にも言及があるね。

証書の作成には「チャンサリー」という別の書記法が用いられた。文字通り書記局チャンサリーのもので、[…] アルド・マヌーツィオは、その字体を活字にしようと考え、[…] そうして生まれたのがイタリック体である。[…] 初登場は 1500 年、シエナの聖カテリーナによる『書簡集』だ […]。

『書簡集』の唯一の挿絵では、聖女は右手に「Jesus dolce Jesu amore」という句の書かれた本を、左手には「Jesus」と書かれた心臓を持っている。出版史上初となるイタリック体の言葉だ。

第 6 章 『デ・エトナ』と活字の誕生 / イタリック体

アルドマ・ヌーツィオという個人に興味がある人向けの構成であり、書籍の諸要素の誕生秘話を語る本ではない。伝記を期待する人には興味深く、反対に「なぜ、彼はそれを発明したか?」といった仕組みや背景を期待すると肩透かしを食らう。固有名詞を乱発する箇所も多く、読み味にも好みが分かれそうだと感じた。史実の研究にとっては重要なのだろうけれども…😅

バッシアーノはラツィオ州の美しい中世の町で、ローマの南およそ 80 km、レピーニ山脈の山間に位置する。アッピア街道が通るこの美しい地域は、現在はラティーナ県の基礎自治体コムーネだ。だが、かつてはカエターニ家が統治するセルモネータ公国の一部だった。この一族の末裔に当たるロッフレードは 1961 年に死去している。ダンテ・エリギエーリによって地獄に落とされた教皇ボニファティウス 8 世も、カエターニ家の出身だった。

第 2 章 人文主義の思想

新しい封建制がやってくる

悲観的な研究や統計を、整理なく羅列した本。よく言えば雑学の、悪く言えば陰謀論の本。衰退、崩壊、支配など、強烈な言葉で捲し立てる一方で、本書独自の視点による「なぜ封建制に回帰するか」の議論は全く無い。

新しい封建制がやってくる

自己の認知バイスをメタ認知しないタイプの読者なら、確証バイアスを増幅してさらに持論に執着できること請け合いだ。引用の数だけは一丁前で、あらゆる悲観論を取り揃えてるから、読者のどんな悲観思想にも迎合できる。SF を根拠にした議論すら展開されてるのには呆れたよ。

このレビューが的確

例えば、人口分布の分散は封建的社会を助長するのかしないのかについて、主張は一貫しない。前書きを読むと、人口が分散すると封建制を助長するように読める。第 20 章を読むと、人口が分散すると封建制を緩和するように読める。

歴史を通じて、都市は文化と経済の発展の中心であり、イノベーションと社会的地位の上方移動 […] を生み出す主要な拠点であった。今日みられる都市の衰退と都市からの人口流出は、[…] より断片化した地域社会への回帰であり、そこから封建制秩序がうまれることとなる。

ペーパーバック版への序文

20 世紀に入り、中流階級の資産が増加したのは、都心部から外へと都市の裾野が広がったことで、多くの市民が広々とした安全な環境にある不動産を購入し、プライバシーを確保できるようになったことが大きい。

第 20 章 新しい封建制社会の形成

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