神様からのプレゼント

彼の親は、何でも1番になって欲しいと言う希望を込めて、亜音(アイン)と名付けた。
ドイツ語で『1』の事を
eins、つまりアインスと言う所から由来している。
しかし、亜音はもう37歳となる。いまだにヒラ社員だし、結婚もしていない。
№1とは程遠い生き様だった。それでも健気に生きる姿に、神様は力添えしようと仕事帰りの亜音に話し掛けた。
『やあ』
『だッ!?誰ですか、あなたは!?』
『わしは神じゃよ』
『神様……。にわかに信じがたいが…。
もしあなたが神様だとして、神様が私に何の用で…?』
『君は№1と言う事でそんな奇妙な名なんだってね。』
『ほっといて下さいよ…。どうせ私に№1は不可能です。』
『オールラウンドに№1など、人間には出来ぬ。しかし2番ならどうだ。出来ぬ事ではない。トップとその次には巨大な差があるためにな。
自分より一枚うわての者が1番上にいる。1番上の者から一枚分下の者。そう。君は二枚目じゃ。』
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亜音には”二枚目”が与えられた。
…が。
別段イケメンになったのでもない。
『何をされたんでしょう…?』
『んー言葉を使い誤ったかもしれぬのう…。”二番目”にすればよかったのか…。』
『んー…。何とも神様に傲慢な態度の発言で恐縮なんですが、出来たらその”二番目”を今から頂けませんか…?』
『残念ながら無理な注文じゃ。』
『そうなんですか…。いえ一向に構わないのですが…。』
『良く言うだろ!天は二物を与えずってな!』
『そんな、そんなのって結局ヒトを選んでるって事じゃない!人間にそんな能力も権利もある訳ないわ!ふざけてる!』
『出来るんだよ!わしは神だからな。
我は神なり!』
『はぁ』
『じゃあな、息子よ!ヤハハハハハ!』
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亜音は神に遊ばれたのか。良く分からないが、今日の仕事を終えて疲れている。家に着いた亜音は夕飯も作る気力もない。なんせ神に遊ばれたのだから。いや、神じゃないのかも、とさえ亜音は思ってた。
とりあえず夕飯だ。作るのを億劫に感じた亜音は宅配ピザでも取ろうと電話をかけた。
『もしもし所長ですか?じゃない、注文ですか?』
『はい。ジサッキョのウシュウジョ風ってののLサイズを。』
『わずかながら生きる希望が芽生え始めたようですね。』
『…。何でも良いから早くしろ!!!!!!!!!!』
『まあまあゆっくりしましょうよ。まだ37歳でしょ?定年まで20年以上あるん…』
『クソッ!脅す言葉を間違えた!お前は俺に売るのは怖くない!むしろ売りたいんだもんな!』
…てな感じで暫く後、ピザが届いた。
しかしそれは良く見るとMサイズ。注文と違う。
『これMサイズですよね?頼んだのLサイズなんですけど。』
『あっっ!すみません!店に電話してみます!』
『申し訳ありません。こちらのミスでした。今からご注文の品を焼いてお持ちしますので。こちらの品は差し上げますので、もう暫くお待ち下さい。すみません。』
10分後。
亜音に”二枚目”が与えられた。

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