日本昔話の真実

昔々、あるところにおじさんとおばさんがいました。名前は高夫、広子といいます。
高夫は山に竹を切りに行きました。新しい商品の材料です。高夫と広子の家は商売をしていて、机や椅子や箪笥なんかを扱っています。
高夫が竹で何を作ろうか考えていた時のこと。山の奥の方でしくしく泣いている声が聞こえました。高夫がとんでいくとそこにはけっこう普通に可愛いじゃん…っていうような娘がいました。
高夫はそれを家に持ち帰り、広子と一緒に包丁で真っ二つに…
…はせず、その場で喰ってしまっ…
…た訳ではなく、その娘に尋ねました。
『君は誰だい?』
『…誰でなんでしょう?分かりませんわ…』
しめしめと思った高夫。即座に、
『君は琵芽(ヒメ)だよ。俺の娘だ。』
と騙しました。
『。・゚゚(´Д`)゚゚・。』
あんまり泣くので家に連れていき、広子と話し合った結果、家で飼うことにしました。
それからというもの高夫の商売は大繁盛。机や椅子や箪笥の他にも、ベットや本棚、テーブル、畳、ソファー、ギター、学ランや…
扇子、
Sense、
亀、
噛め、
猿、
去る、
犬、
居ぬ
なども扱うようになりました。
そんなある日。琵芽が毎日の仕事の手伝いを終え、のんびりしていた夜のこと。琵芽のもとに手紙が来ました。
『中秋の名月も過ぎ、月もだんだん小さくなっていく頃だ。お前が必要なのだ。早く帰って来い。待ってるぞ。』
全く意味が高夫にも広子にも理解できませんでした。しかし琵芽には分かったのでしょうか。目はうつろながら真ん丸な月を眺めています。
『高夫さん、広子さん。あなた達には本当にお世話になりました。私はあなた達の娘ではないのですね。私は行きます。
居るべき処へ。』
さよならと挨拶をすると、琵芽はすぅーーっと天へ昇りゆきました。
その姿はいつにも増して美しかった。そう思った二人はいつまでも琵芽を見守っていました。
そして琵芽もとうとう見えなくなった時、二人は同じ事を考えていました。琵芽との感動を忘れられないためにも。
『これで本書いて売れば儲かる…』
そんなわけで今までの話を一冊の本にまとめました。そうすると琵芽がまだいるのかと思わせる程に、その本はまた飛ぶように売れたそうな。
その本の題名は
『家具屋・琵芽』

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