【命名】たとう座り

この不思議な遊びを,「たとう座り」と呼びましょう!
名前がないと,呼べないしね!
まずは写真を見たほうがいい。これ.あるサイトでは「魔法の椅子」と呼んでいるね。一人目が二人目の膝に支えられ、二人目は三人目の膝に支えられ、回り回って最後の人を支えてるのが最初の人の膝になっているという、不思議な状態だからだね。作るときは,始めに椅子に座って,大丈夫にった人から椅子を抜いていって作るんだよね.これはもちろん当事者が猛烈な筋力を持ってるわけじゃないよ、極めてリラックスした状態。互いが互いを支えることで安定して、誰かに負荷が集中するでもなく均等に支え合っているんだね。

これに名前を付けたい。名前がないと呼べない。これは「互いが互いを支える。少しずつ力を出し合って協力する。相互依存。調和」を比喩するのにぴったりのモチーフでしょ。だから何かにつけて比喩としてこれを出したい訳だ。でも名前がなきゃさらりと例示できないでしょ。「あのさ、ほら、人間が数人集まってさ、みんなで膝の上に寝っ転がるやつだよ。互いが互いを……」みたいに、説明的になっちゃったら面倒くさいもんね。さらりと言い切って、クールに比喩したい。
織り込むダンボール
思い付いたのがダンボール、ダンボールの底って、筒からヒレが4つ伸びてて、それを互い違いに組んで閉じるでしょ。この様子って、かなりさっきの「魔法の椅子(仮称)」に近いじゃん!だから、このダンボールの折り方に名前が無いか調べてみました。そしたらね、意外とあるもんだね、「たとう折り」と呼ぶそうです。

「たとう」は漢字で書くなら「畳」になるそうだから、「たたむ」という単語の発音が時代とともに変遷して訛っていくと「たとう」になるのかなと推理しました(事実かどうかは知りません。誰か教えて!)。もう一つ「たとう」は「多当」と書かれることもあるそうだ。でもこれは当て字っぽいから不採用(当て字かどうか、本当のところは知らないですよ。誰か教えて!笑)。この「たとう」、元々は「畳紙」から来てるんだと推理しました。「たとうがみ」と読みます。
畳紙(たとうがみ)もしくは帖紙(たとうがみ)は、結髪の道具や衣類などを包むための紙である。単にたとう、タトウなどとも呼ばれる。また、詩歌の詠草(草稿)や鼻紙などとして使う、畳んで懐に入れる紙(懐紙)を指すこともある。着物などを包む畳紙は、厚手の和紙に渋や漆などを塗り折り目をつけたもので、三つ折にした後にその端を折り曲げることで中のものが落ちないようにする。
畳紙 – Wikipedia
道具や衣類を仕舞うときに包む紙が、たとうがみ。中身が零れて落ちないように、封をする必要があった。でも昔はガムテープやセロテープが身近にあるものではなかったし、きっと紙の折り方を工夫することで落ちないようにしたんだね。それが「たとう折り」なんだと推理!確かに互い違いに折り込めば簡単には解けないし、折り込みが開いてしまうことを防げるよね。「畳紙(たとうがみ)」は畳み込むための紙だから「畳紙」と漢字で書くんだとすると、さらに整合的だ。和室の床に敷き詰める、い草を編み込んだカーペット(= 畳 )とは、おそらく無関係だね。
てな訳で,命名!
このことを加味して、俺はあの「魔法の椅子(仮称)」に名前を付けました!ずばり「たとう座り(たとうすわり)」です!これで「あのさ、ほら、人間が数人集まってさ、みんなで膝の上に寝っ転がるやつだよ。互いが互いを……」とか言わずに済むね(とか言って,俺が勝手に命名したのを皆に周知しないと伝わないけどね.だからそのつもりでこの記事書いてるんだぜ笑).

これはいろいろな比喩に使えると思う.例えばこんな.
- システムの構築に関して,部分と部分が強固に組み合うような設計は避けたほうが良い.なぜならそれはたとう座りのように,一部のほころびが全体に波及してしまう脆さを包含してしまうからだ.システムの部分は,独立に機能するよう設計するのが良い.
- 組織は上下関係の階層構造ではない.一方的に命令する者と,一方的に命令される者が存在するのではない.むしろ組織とは,たとう座りのように互いが互いを支えあう構造であり,組体操のピラミッドのようなものでは無い.
前者は脆さに注目して,後者は支えあう構造に注目して例文を書いてみた.こんなふうに,あの遊びは面白い性質(比喩に使いたくなるような!)を持ってるから,ぜひともスパッと言い切れる名前があると絶対に便利.これを読んだ人,普及してくださいな!笑