【重力とは何か】時間と反粒子について,感動した

重力とは何か,結局僕には分かりませんでしたが.

物理学に関する深い洞察!面白い!

重力に関する最先端の物理について,ごくごく分かりやすく噛み砕いて,それでいて且つ正確さを犠牲にしない表現を試みた新書.僕は大学で量子力学を習ったけど1mmも理解できなかったし,その以前に身に付けるべき解析力学も分かってない.今年の目標として「ネーターの定理を理解する!」のために教科書も買ったのに,買ったまま満足してほとんど読んでないな.読まなきゃな.
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僕がこの物理学の本を読みたくなったのは,LIGOによる重力波の検出のニュースを聞いたから.僕は一般相対性理論を理解してないし,それゆえに重力波を検出したことがこれからの科学に対してどれくらいのインパクトがあるのか知らない.でも凄く大ニュースになってたでしょ.だから「重力波ってなんだろう?それを検出できると何が分かるんだろう?」と疑問に思った.それで専門家が書いた,それでいて易しい,この本を読んだのでした.結果的にはこれを選んで読んで正解だったと思う.凄く面白かった!
この本では素粒子物理学と,その先を予言すると期待されている超弦理論が解説されている.超弦理論を聞いたことのない人はYouTubeで検索してみるといいですよ.NHKで放送された(そしてオリジナルはたぶんアメリカの科学番組)テレビの転載があります.それを見るだけで「何を主張する理論か?」ということくらいは掴めると思う.その根拠とか由来とか,その他の理論との関係性とかを理解するのは非常に(非常に!)難しいと思うけどね.

電子にとって,時間は空間!

この本で僕が最も印象に残った箇所について書きます.とても個別具体的な箇所について書きます.全体的に「この本はこんな感じで…」ということを書くほど,全体について理解できませんでした!いや,途中までなら分かった気にはなってるんだよね.途中のホログラフィーの解説以降では,説明のための例すら理解できずに困りましたね…笑
量子力学(標準模型,素粒子,…)と一般相対性理論(重力,ブラックホール,…)を統一的に説明する理論を構築する過程で,「反粒子」というものの存在が予言された.そしてそれは1932年に宇宙線の中から実際に発見されたそうだ.
反粒子がなぜ理論的に存在が予測され,実際に検出されるまでに至ったのかについて,この本の中では丁寧に説明されてる.ここで書くことはしません.僕はこのファインマン図に非常に衝撃を受けた!
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少しだけ解説

これだけを見せられても意味不明ですね.横軸が空間(空間は3次元ですが,絵を描けなくなるので1次元として省略します)で,縦軸が時間,このグラフ全体は時空間を表現しています.我々人間は時間を遡って何かを体験することは無いので,この図の中で上に伸びる(下へ引き返さない)曲線として時空間に存在してます.
ただし,電子はそうでもないらしい.時間方向を順行に進むこともあるけれど,逆行して進むこともできるらしい.我々が3次元空間を右へ左へ,前へ後ろへ,上へ下へ自由に移動できるのと同じように,電子は時間軸を未来へ過去へ自由に移動できるらしい(我々は上下方向に対して,重力のせいでそれほど自由じゃないけどね).電子は時間軸さえ自由に移動できる!反粒子を考えるとそういう帰結となるそうだ!(もっと詳しい説明は本を読んでください笑.僕が言うよりもっと簡潔に,分かりやすく説明してくれています笑).
そしてこの絵で言うと,赤い部分が時間を順行して移動している箇所.青い部分が時間を逆行して移動している箇所.電子は自身の電荷を反転させる(反粒子になる?)ことで,時間を逆行することができるらしい.意味は分かる,でも想像を絶する…!

凄く不思議.勉強してみたいな

反粒子は時間を遡ることができる!時間は空間の次元の一つに過ぎないのか?凄く不思議.この事実について体系的にまとめあげたのは,図の名前にもなっているファインマンという学者だけど,彼もこのアイデアを無から閃いたわけではないそうだ.
彼が大学院生の時,彼の指導教員であるホイーラーが言ったそうだ.

ファインマン,どうして電子がどれも同じ質量と同じ電荷を持っているのかが分かったぞ!
なぜかって?全部,同じ電子だからさ.
一つの電子が過去と未来を行ったり来たりして,こんがらがっているとしよう.
これをある時間のところで切ってみると,
たくさんの電子が未来に向かったり,過去に向かったりしている.
過去に向かっているのは,陽電子だ.

この考え方に僕は凄く衝撃を受けた.この考え方を知ることが出来ただけでも,この本を読んだ価値があったと思う.僕は高校レベルの初等的な物理学しか理解してないけど,この本はとても易しく書いてあるからそれでも多くの部分を理解できる.「最先端の物理学って何をやってるんだろう?」と気になる人に,とてもおすすめの一冊.

余談

この「粒子と反粒子で,感じる時間の正方向が異なる」とも表現できそうな(いい加減なこと言えないですけど…)この事実を知って,僕はオズマ問題を想起した.オズマ問題とは簡単に言えば「言語のみによって左右を定義可能か?」というもの.これは物理学の見地から「定義可能」と回答できるそうだ.理解してない僕が説明しても意味ないから,別のサイトから少し引用.
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放射性物質であるコバルト60は、β崩壊しニッケルとなる。
この時、電子とニュートリノを放出する。
コバルト60の原子核はスピンを持っており、
絶対零度付近まで冷却し強い磁場をかけるとそのスピンが揃う。
その際に、S極により多くの電子が、反対のN極に多くの反ニュートリノが飛び出します。
これを鏡に写した場合、逆向きのスピンのコバルト60からS極により多くの電子が飛び出す現象となるが、
自然界においてこのような現象は起こらず、
電子はN極側に多く飛び出る。
この現象においては実像と虚像の区別を付けることができる。
つまり、コバルト60のベータ崩壊を左右の基準に用いれば右と左を定義できる。

空間の左と右を区別することは出来る,と物理学はオズマ問題に回答を与える.そこでぼくは思った.「時間の正方向って言葉のみによって区別可能かな?」.電子は時間の正方向に移動できるけど,陽電子(電子の反物質)は時間を負方向に移動できる.時間の正方向は自明じゃないのかな?そんなことに思いを馳せました.

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