ポケ GO がスマホゲームの最高峰だよね

スマートフォン向けにゲームを作るならこう、という「正解」を提示してると思う。

豊富で楽しい機能は「スマホならでは」

ポケ GO にはスマホならではの機能がたくさん実装されてる。最大のものは「位置情報を使う」ということ。持ち運べる機械にインストールして遊ぶゲームである以上は、持ち運んでこそ意味が生じる機能を盛り込みたい。ポケ GO は各地に潜むポケモンを探して捕まえるゲームであり、位置情報を主要な要素として据えてる点はスマホゲームならでは。例えばゲームセンターに据え置くアーケードゲームでは同じ仕組みは実現できない。

全面タッチスクリーンを前提としてたゲームメカニクスもスマホならでは。画面をなぞってモンスターボールを投げ込み、遭遇したポケモンを捕獲する。スーファミ / ロクヨン / PS4 などの家庭用ゲーム機では、全面タッチスクリーンを前提にしたゲームデザインはなかなか類を見ない (携帯機では PS Vita や Nintendo 3DS が僅かに取り組んでた)。スマホゲームならタッチスクリーンを前提にして、スワイプ操作を中心としたデザインが可能だ。

3 つの「スマホならでは」: 位置情報 / タッチスクリーン / AR

AR カメラ機能も先進的でありながら、「単に盛り込んだだけ」に止まらない遊びの幅を提供してる。架空のモンスターを捕まえて集めるという世界設定だから、現実世界に AR でキャラクターを投影して写真を撮ることがそもそも遊びとして面白い (訪れた各地でお気に入りのポケモンと記念写真が撮れる!)。これは、(内カメラはさておき) 外カメラをほぼ搭載しないノートパソコンなどでは実現できないゲームシステムだね。

強い IP がビジネスモデルを堅牢に

既に世界的に広く普及したポケモンという IP (知財) で実践している点も、これらの強みを加速してる。マーケットが日本限定ではない (もちろん主戦場は日本だ) から、利益を広く薄く回収することができる。安定的な運営が期待できるから、コンプガチャなどの射幸心を強烈に煽る姑息な消費誘導施策に依存する必要がない。これは、つまるところポケ GO は主に子供向けのゲームであるからこそ、その親に嫌われて信頼を損ねるような商売はしないという win-win な戦略でもある。

僕のポケモン図鑑の完成度

また売り切り型の家庭用ゲームと異なり、スマホゲームは継続的な「運営」が欠かせない。その点でもポケモンは,本編が現在も活発に発展中の IP だから心配が無い.むしろ運用型で提供することと親和性が高い。もし連載終了した漫画 (例えば『うる星やつら』とか) の IP でスマホゲームを運営するとしたら、ポケ GO を運営するのに比べて、ネタ作りやマーケティングでかなり苦戦するだろう。

継続的な運営のネタとして、例えば本編に追加された新ポケモンをポケ GO に登場させることができる。実際に、2016 年 7 月のポケ GO リリース以来の本編は、同年 11 月にサン/ムーンが、2019 年に剣/盾がそれぞれ発売され、そして来たる2022 年冬には最新作スカーレット/バイオレットが発売される。これらの新ポケモンを追加するだけでも話題に事欠かず (もちろん追加は簡単な仕事ではないけれども)、「生きた IP」で運営型ゲームを提供する強みが見て取れる。

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