【進化するカナ】もっと記号化されたカナ!

カナの字形は進化してると思う.

「ム」は最も進化したカナ
漢字の部分を省略して書いて生まれたカタカナ.一方,漢字の全体を崩して生まれたひらがな.どちらも魅力的な日本固有の文字で,どちらも僕は大好きです.でも今日はカタカナの話です.
カタカナの「ム」はすごく強く記号化されてることがある.由来は「牟」の初めの2画.この「牟」自身は「(牛が)鳴く」「貪る」「兜」と言う意味.全体的に牛っぽい感じだね.牛が草を貪り食ってる景色とか,牛の角とかが目に浮かぶ.話が逸れた,「ム」の話です.

「ム」は基本的には2画で書かれる.1画目は「L」のような形.2画目は右側の画.基本的には1画目と2画目は交差しないけど接触していて,T字路になってるよね.手書きの文字では.

でもコンピュータが出力する文字では必ずしもそうじゃない.ギリシャ文字の「⊿」とか「Λ」みたいな感じで,キレイな三角形みたいな「ム」があるじゃん.それって面白いことだと思うんです.
次に進化してるのは?
でさ,少し話を逸らすと,活字の「人」もよく考えると全然手書きの文字と異なる.「人」を手書きするとき,1画目と2画目はT字路のように接触するよね.「ム」の話にも通じるけど,活字の「人」は,しばしば曲がった「Λ」のように書くじゃん.

活字は手書きとは異なる.「真四角の仮想ボディに収めて書いたときに,美しくなるように」という主義でバランスを取ってる.だから「ム」も「人」も,手書きの時と比べると記号っぽく変形されてる.
で,これと同じことが,別のカナでも起きてると思うんだよね.それは「マ」.「マ」も2画のカナだけど,最近こういうのを見た.

これはアルファベットの「R」の縦棒を省略したみたいな形だね.これが「正しい」とか「正しくない」とか言いたいんじゃない.でも「字形が進化してる!」という,この現象そのものが面白いと思うんだ.
文字は進化する!
これからコンピュータの文化がどんどん進化すれば,文字はもはや「書く」ものではなくて「打つ」ものに変わっていく可能性がある.そのとき,画面上で読みやすく美しい字形というのが求められる.手書きでの美しさを忘れる必要はないけれど,別の美しさを求める動きが出てくる可能性を否定できない.
もっとカナの字形は進化していくのかも知れない.それが楽しみ.